3.電気柵の選び方【対象動物別】
3.電気柵の選び方【対象動物別】
電気柵の設置に必要な資材を確認したら、次は「対象の動物に対応した電気柵はどれなのか?」を、確認していきましょう。
というのも、被害対策の種がイノシシなのか、シカなのか、あるいはアライグマ、ハクビシン、アナグマなどの中型獣なのか、はたまたサルやクマなどなど・・・と、多種多様な獣種によって対策方法が異なるので、購入する資材の内容も変わってきます。
つまり、対象となる獣が何か分からない・・・のに、電気柵セットを購入してしまうと、せっかく購入した電気柵が全く効かない・・・なんてことにもなりかねませんので、気を付けてください。
ちなみに、畑が獣に荒らされているが、獣種が何か分からない、といった場合は、昼夜問わずに無人で畑を荒らす獣の写真や動画を撮影してくれる「自動撮影カメラ(トレイルカメラ)」を活用し、対象の動物の特定から始めてみると良いでしょう。
それでは、田畑を荒らす代表的な動物ごとに最適な電気柵についてご説明していきます。
1イノシシ用
・電気柵の設置段数:2段
・設置高さ:40㎝
(地上から20㎝・20㎝)
が推奨されています。
2シカ用
・電気柵の設置段数:5段
・設置高さ:130㎝
(地上から20㎝・20㎝・20㎝・30㎝・40㎝)
が推奨されています。
3中型獣(ハクビシン・アライグマ・アナグマ)用
・電気柵の設置段数:4段
・設置高さ:35㎝
(地上から5㎝・10㎝・10㎝・10㎝)
が推奨されています。
※一番下の段が地上から5㎝と低いため、地面の凸凹がワイヤーに引っ掛かってしまったり、刈った雑草が生えてきて電気柵のワイヤーに触れてしまったりするなど、漏電のリスクがとても高くなります。
こまめな草刈り、除草、テスターを用いた漏電チェックを行いましょう。
また、そういった漏電リスクの回避、面倒なメンテナンスの手間といった悩みの解消も考慮し開発された、ネットと電気柵を合わせた複合柵「楽落くん」という商品もあります。
「楽落くん(らくらくくん)」とは?
この柵は、地面から33㎝まではプラスチック製のネットのため、漏電のリスクが少なく、またアライグマやハクビシンなどが柵を乗り越えるために、前足を伸ばしやすい所に電気柵ワイヤーがあるため、感電しやすく設計されているのが特徴です。
アライグマやハクビシンが大好きな、糖度の高い露地栽培のメロンやスイカなどを守るのに最適な防護柵であると言えます。
4クマ(ツキノワグマ)用
・電気柵の設置段数:3段(もしくは4段)
・設置高さ:60㎝(もしくは80㎝)
(地上から20㎝・20㎝・20㎝(・20㎝))
が推奨されています。
※電気柵の下を掘って侵入を試みる場合があるため、電気柵の手前30~50cmのところに1本の複線を設置するとより効果的です。
5サル
サルには、イノシシやシカなどで使用する一般的な電気柵では効果が見込めません。
なぜなら、他の動物に比べ知能の発達したサルは通電していないポールにしがみつき、これをうまく使って登ってしまうからです。
でも、サルの侵入を防ぐ効果的な柵は設置可能ですので、まだあきらめないでください。
サル対策には、「ネット柵または金属柵+電気柵」といった複合柵が有効です。
【ネット柵+電気柵】
獣害対策用ネットの上部に電気の流れるネット(通電ネット)を設置します。
例えば、当店が取り扱っている通電ネット「エレキネット」は+極線と-極線が5段づつ交互にセットされたネットで、サルがネットをよじ登り、+極線と-極線を触ると感電する仕組みです。
【金属柵+電気柵】
アライグマやハクビシン等の中型獣では、プラスチック製ネットと電気柵を組み合わせた複合柵「楽落くん」をご紹介しましたが、サル対策にはワイヤーメッシュ柵と電気柵を組み合わせた「おじろ用心棒」という複合柵商品が有効です。
「おじろ用心棒」とは?
「おじろ用心棒」は、地面からワイヤーメッシュまでマイナスを帯びた電気が流れ、その上にプラス電流が流れています。
さらに、電気柵ポールにもスプリングを巻き、プラス電気を流しているので、イノシシ、シカはもとより、サルの侵入も防ぐことができるのです。
おじろ用心棒スプリング式 200mセット
当店が取り扱う電気柵製品は
日本電気さく協議会に加入しているメーカーの製品です。
電気柵の設置には、様々な部品が必要です。
それぞれのパーツの必要数量を算出し、ピックアップしていくのはとても面倒で大変です。
そのため、特に「これから電気柵を始めたい」という電気柵初心者の方には、まずはセット商品から購入することをおすすめします。
セット商品には、上記のパーツがすべて(※)含まれているので、安心してすぐに柵を設置することができます。
当店では、「本体」が含まれていない設置距離の延長セットや段数追加セットも取り扱っていますので、設置場所の規模や対象の動物に合わせてカスタマイズすることができます。
※テスターが含まれていないセットもあるので、ご購入前に必ずセット内容の詳細をご確認ください。初めて電気柵をご使用になる方は、テスターの購入は必須です。