ICT・IoTを活用した獣害対策
近年の高齢化や過疎化による営農意欲の減退や狩猟者の減少により、鳥獣被害が深刻化・広域化
している中、様々なICT・IoTを活用した獣害対策の取り組みが広がっています。
農林水産省では、ICT・IoTの技術の活用を促進するため、「鳥獣被害防止総合対策交付金」にて、
地域が行う実証・導入の取組を支援しています。
ICTとは
ICTは、「Information Communication Technology」の略語で、直訳すると「情報伝達技術」です。
通信技術を使って、人とインターネット、人と人が繋がる技術です。
IoTとは
IoTは、「Internet of Things」の略で、直訳すると「モノのインターネット」となります。
離れているモノの状態を確認・操作したり、インターネットに繋げて遠隔操作をする技術を指します。
ICT・IoTを活用した獣害対策は、こんなことが実現可能です
①見回りの負担の軽減・効率化
遠隔監視・遠隔操作ができるICT機器を使い、罠に対象動物がかかったアラートや、罠のシャッターを落とす操作等が可能です。
他にも、クラウド機能等を使って、複数名での罠の監視・捕獲操作も可能です。
例えば、遠隔監視装置のサービス「ワナの番人」を利用することで、
①迅速な対応が可能
従来はわなの状況確認を定期的にすることで、害獣が捕獲されているかどうか判断をしていました。
「ワナの番人」を導入することで、メール通知が来たら迅速な対応が可能になります。
②安全な対応が可能
くくりわなに害獣がかかっている場合、草陰などに隠れて急に襲い掛かってくるケースもあり、罠にかかっていても対応時には危険が伴いました。
「ワナの番人」を導入することで、事前にどの罠が作動しているかを把握できるため、作動したワナの付近に近づく際に安全な対応を取ることが可能になります。
③低コストでの運用が可能
LPWA(Sigfox)通信は一度に送信できるデータ量が小さく、低電力で稼働させることができるため、「ワナの番人」は乾電池で利用することができ、電源工事不要かつ移設も簡単です。
そのため、ランニングコストを抑えての運用を実現できます。
など、見回りの負担を大幅に軽減することができます。
※「ワナの番人」には遠隔でシャッターを下ろす機能はございません。
②捕獲率をあげる技術として導入
罠に入った頭数や大きさ(幼獣・成獣)を判定して仕掛けを落とす装置「アニマルセンサー」で、効率的な捕獲が可能になります。 また、通信タイプのトレイルカメラ「TREL(トレル) 4G-R」を利用して、対象動物の特定や けもの道を見極めて、効果的な罠の設置場所を選定することが出来ます。
③ドローン等を利用した被害状況の把握
獣の生息実態・被害状況の把握にドローンが活用されています。ドローンからの空撮と赤外線カメラの組み合わせで、イノシシ、シカ等の生息状況をより正確に把握することができます。