イタチ類の生態・被害の現状・対策
イタチ Mustela itatsi(食肉目イタチ科)
形態 | ・食肉目イタチ科に属する中型の哺乳類である。 ・体色は茶から山吹色だが、額から鼻にかけて濃褐色の斑紋がある。 ・雌は雄より小型である。 ・頭胴長は雄27~37cm、雌16~25cm、尾長は雄12~16cm、雌7~9cm、体重は雄400~500g、雌145~200gである。 |
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分布 | ・本州、九州、四国、佐渡、隠岐諸島、伊豆大島、淡路島、小豆島、壱岐、五島列島、屋久島、種子島などに分布する。 ・北海道、利尻島、礼文島、伊豆諸島(三宅島、八丈島、青ヶ島)、長崎県青島、口之島・中之島・諏訪瀬島・平島・悪石島・喜界島・沖永良部島・与論島(鹿児島県)、座間味島・阿嘉島・南大東島・北大東島・伊良部島・波照間島(沖縄県)など、ネズミ類駆除のため導入された個体が定着した島もある。 ・北海道には、1880年代後半に侵入、定着した。 ・西日本では近年、外来種のチョウセンイタチが優勢になり、イタチは山間部などに追い込まれている。 |
生息環境 | ・主な生息地は平野部であり、特に河川周辺を好む。 ・西日本では主に山間部に生息する。 |
食性 | ・雑食性。 ・力工ル、ネズミ類、鳥類、昆虫類など陸上小動物のほか、水に入りザリガ二など甲殻類や魚を食べる。また、果実なども食べる。 |
繁殖 | ・年1回、春に4~5頭を出産する。 ・九州など暖かい地域では年2回繁殖することもある。 |
社会性 | ・単独もしくは母子で生活し、排他的な行動権(なわばり)をもつ。 ・雄は交尾期以外で一緒に活動することはほとんどない。 |
【参考文献】
- ・阿部永・石井信夫・伊藤徹魯・金子之史・前田喜四雄・三浦慎悟・米田政明(2005)日本の哺乳類[改訂版].東海大学出版会.
- ・日高敏隆(1996)日本動物大百科第1巻哺乳類Ⅰ.株式会社平凡社.
分布図①
出典:環境省 生物多様性センター. 第3部 動物分布図(哺乳類). https://www.biodic.go.jp/kiso/atlas/pdf/3.mammals.pdf, (2024年8月14日取得).
分布図②
出典:環境省 生物多様性センター. 第3部 動物分布図(哺乳類). https://www.biodic.go.jp/kiso/atlas/pdf/3.mammals.pdf, (2024年8月14日取得).
分布図③
出典:国立環境研究所 侵入生物データベース. チョウセンイタチ. https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/10180.html, (2024年8月14日取得).
分布図④
出典:国立環境研究所 侵入生物データベース. ニホンイタチ. https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/10320.html, (2024年8月14日取得).
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- ・ニワトリ小屋等に侵入して襲う。
- ・納屋や家屋への侵入
- ・糞尿による生活環境被害
- ・音や光を出す装置で追い払う。
- ・納屋、倉庫などに入られないよう、侵入口をふさぐ。
- ・箱わなで捕獲する。
- ・餌付けは絶対しない。
- ・イタチ類のような繁殖力の高い獣を「わな」で捕獲して地域の個体数を減らすことはかなり困難です。ただし、鶏舎付近に「わな」を設置して捕獲することは一定の防除効果があります。
- ・イタチのメスは狩猟鳥獣ではないため、捕獲はできません。捕獲した際は、逃がすようにしてください。
- ・「わな」による捕獲は、鳥獣保護管理法などを遵守して適切に行う必要があります。これらの法律は県又は各市町村が管轄していますので、被害が出て「わな」で防除する場合は必ず自治体の担当窓口に相談しましょう。