【鹿捕獲】くくり罠にかかったシカの行動パターンと接近の際に注意するポイントを解説
投稿日:2020年10月6日
運営会社:株式会社 地域環境計画
投稿日 : 2023年11月15日
更新日 : 2024年03月25日
今回はぶどう園の獣害対策について、実践的な方法とおすすめ商品をご紹介します。
ぶどうを守るためにはまず対象動物を判別することからはじめます。対象動物を特定できたらネット柵や電気柵を使用してぶどう園を囲んだり、果樹に登らせないように対策します。これらの対策を組み合わせることで、ぶどう園の獣害を最小限に抑えることができます。
具体的な対策方法に加え、当店で実績のあるおすすめ商品もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
ぶどう園での獣害は、ぶどうの収穫量や品質に大きな影響を与えることがあります。対策を実施するにあたり、まずは加害個体の種類と特徴を理解し、具体的な対策方法を考えることが重要です。
ぶどう園の主な加害獣は、
などが代表的です。
ぶどう畑では果実だけでなく、植えたばかりの苗や新芽をシカに食べられてしまう被害も発生しています。
上記の他にも、
などによる被害も出ています。
加害個体が鳥類の場合、飛んで侵入してくるため、柵による対策は難しくなります。
ぶどう園の食害の具体的な痕跡画像については以下の資料が参考になります。
出典:農研機構「鳥獣害痕跡図鑑(ぶどう)」
痕跡の特徴として、鳥はくちばしで、ハクビシンは口で、アライグマは前足で果実袋を破ります。ハクビシンやアライグマは果肉を吸い取った果皮をその場で吐き出すことが多いです。カラスは房から粒を摘み取って持ち去る傾向があります。
ハクビシンは果樹園の獣害の代表種であり、当店にもハクビシン対策のお問い合わせも増えています。
アライグマやタヌキなど他の中型獣と対策方法も類似していることもあるため、ここからはハクビシンを例に、具体的な対策方法を紹介します。
※ただし、アライグマとハクビシンは果樹やハウス上部などに登ることができるが、タヌキは登れないため、場合によっては対策が異なる可能性があるため注意が必要です。
ハクビシン対策の具体的な方法としては、基本的なステップはその他獣害対策と同様です。
まずはハクビシンの行動パターンを把握することが重要です。ハクビシンは夜行性のため、夜間に活動することが多いです。そのため、夜間の監視が必要です。
監視には赤外線センサーを搭載した「トレイルカメラ」が大変便利です。トレイルカメラを設置し、ハクビシンの侵入が特定できた場合は、速やかに対策を行いましょう。
ほかに、周辺の泥地などに残された足跡で判別する方法もあります。足跡については、「痕跡から動物を特定する」を参考にしてみてください。
次に、ハクビシンの侵入経路を塞ぐことが重要です。その場合ハクビシンが侵入できないよう防護柵を設置します。
ぶどう園の周囲に電気柵を設置し、ハクビシンの侵入を防ぎましょう。例えば、「中型獣対策用の電気柵」を設置することで、ハクビシンの侵入を防ぐことができます。
当店では中型獣に特化したネット柵と電気柵の複合柵である「楽落くん」も取り扱っています。「楽落くん」は一般的な中型獣用電気柵と比較すると、下草刈りの頻度が少なくて済むなど、メンテナンスの手間が軽減されるのがメリットです。
また、ハクビシンは登るのが得意な動物なため、電気柵の外側にある木や柱を登って侵入する場合があります。その場合は、木の枝を切る、トゲの付いた鉄板「侵入禁刺」などの忌避用品で対策するなどの対策をすると良いでしょう。
さらに、次の手段として、「動物用捕獲器(箱わな)」を使用し、加害個体を捕獲する方法があります。箱わなは、ハクビシンが通りそうな経路の周辺に設置します。
効率よく捕獲するためのコツもありますので、ここでいくつかご紹介します。
その他、こちらの記事でもハクビシンの箱わな捕獲の際の注意点等を掲載していますので参考にしてみてください。
ただし、罠の設置には注意が必要であり、法律や地域の規制を遵守する必要があります。鳥獣の捕獲にはほとんどの場合、法律に基づいて、狩猟免許や何らかの許可申請が必要になりますので、捕獲を検討する前に最寄りの自治体担当課に相談することをお勧めします。
参考までに、各都道府県の鳥獣被害担当部署などのホームページへのリンクと相談窓口の連絡先一覧も掲載します。
上の画像を見ると、ズッキーニの実がかじられている様子がよくわかります。ハクビシンは雑食性のため餌となるものは何でもかじられてしまいます。
その中でもぶどうなどの果実は、ハクビシンの好物であり、特に甘い実にはよく寄ってきます。そのため、ハクビシンの被害を防ぐためには、実の成熟期には特に注意が必要です。
そして、獣害対策で重要なのは動物を寄せ付けないことです。ハクビシンが好む餌(収穫残渣)を放置せず与えないようにすることも大切です。
人間にとってはゴミだと思う収穫残渣も、動物にとっては立派な餌となります。
などして、ハクビシンに食べ物を与えないようにしましょう。
これらの方法を組み合わせることで、ハクビシン対策を効果的に行うことができます。
ここからは、ぶどう園の獣害対策に役立つ商品をいくつかご紹介していきます。紹介する商品はどれも当店で取り扱っている商品ですので、商品についてのご質問やご相談があれば当店までお気軽にお問い合わせください。
まずは、トレイルカメラ(センサーカメラ・野生動物カメラ)です。トレイルカメラは、ぶどう園に侵入する加害個体の様子を撮影し、獣種の特定やその動物を観察するために役立ちます。
機種を選ぶ際には、
などから用途に適した商品を選びましょう。
トレイルカメラが初めての方で、とりあえず試してみたいという場合や価格重視で選ぶなら「TREL(トレル) 18J-DS」がおすすめです。
トレイルカメラの選び方については以下ページも参考にしてください。
トレイルカメラの選び方 完全ガイド 初心者でもわかる!性能の違い・機種の選び方を徹底解説
電気柵は、加害獣が電気柵に触れて感電した際、獣に恐怖心を与え侵入を防ぐための「心理柵」とも言われています。設置する際には、対象動物に合わせて高さや段数を設定する必要があります。
また、バッテリーの種類(乾電池やソーラーバッテリーなど)や、設置・撤去のしやすさも考慮して最適な商品を選びましょう。
その他、最適な電気柵の選び方や設置方法については以下ページも参考にしてください。
登るのが得意なハクビシンに対しては、木や支柱、雨どいなどに巻き付けるトゲトゲの付いた金属板の忌避商品もおすすめです。
次に、動物用捕獲器(箱わな)です。選ぶ際には耐久性や取り扱いのしやすさも考慮すべきポイントです。長期間使用することを考えると、すぐに破損しないよう丈夫で、またメンテナンスがしやすい捕獲器がおすすめです。
狙った動物を効率的に捕獲するためには、加害獣の種類や行動パターンを把握しておくことが重要ですので、箱わな捕獲を実施する際にも「トレイルカメラ」を活用することをおすすめします。
最後に、捕獲については業者に依頼する方法もあります。獣害対策は野生動物や対策商品に関わる専門知識が必要なため、業者に依頼することで効率的に対策が行えます。
ただし、業者に依頼する場合は、費用や信頼性などをしっかりと確認しましょう。
ぶどう園の獣害対策について、加害獣の種類や具体的な対策方法、おすすめ商品を紹介しました。
最後に参考資料として、ぶどう園での獣害対策に関するさまざまな情報をまとめました。これらの情報も一部参考にしていただき、効果的な獣害対策を行ってください。
出典:農研機構「登はん能力からみたアライグマとタヌキのぶどう果実食害防止対策」
この研究では、アライグマとタヌキの二種の動物の登る能力を基に食害防止策を考察しています。
アライグマは垂直な構造物を登る能力が高く、通常の防止策は効果が限られていますが、主幹部に平トタン(幅60㎝×高さ90㎝)2枚を貼り合わせたり、平トタン(直径90㎝)で作った傘状の返しを針金でつるすことで、登るのを防ぐことが可能とされています。一方、タヌキはぶどう樹の主幹部にトタンを巻き付けることで、登はんを防止できるとされています。
この防止策は、収穫の約40日前から収穫終了時までが推奨されており、ぶどう以外の果樹や、棚施設を利用しない他の果樹に対しても応用可能であるとされています。これらの対策は、ぶどう園におけるアライグマとタヌキによる食害を効果的に防ぐための新たなアプローチを提供しています。
出典:農研機構「果実保護ネットによる短梢せん定ぶどうの鳥獣害対策の省力化」
この研究では、短梢せん定ぶどう(梢(枝)を短く切って整える剪定方法)の栽培における新しい防鳥獣対策に焦点を当てています。通常の防鳥獣対策は設置と維持に手間がかかるため、研究チームは果実保護ネットの開発を進めています。
このネットは、特に短梢せん定ぶどう栽培において、簡単に設置し、取り外し可能で、脚立や踏み台などの使用を省くことができます。これにより、労力を削減し、作業の安全性を向上させることができるだけでなく、高い防鳥獣効果も実現できるとされています。
これは、ぶどう栽培者にとって効率的かつ効果的な鳥獣害対策となり、作業の負担を軽減する可能性があります。
出典:農研機構「作物の食害痕跡からの加害鳥獣の判別に役立つ作物別の鳥獣害痕跡図鑑」
この図鑑では、作物の食害痕跡を通じてどの動物が加害者であるかを特定する目的で設計されています。直感的に加害動物と被害作物の関連を瞬時に理解でき、作物名をクリックすることで、該当する食害痕跡の情報を閲覧できます。
効果的な鳥獣害対策をするためには、まず第一にどの動物が作物に害を与えているのかを正確に知ることが重要です。しかしながら、動物が作物を食害している現場を直接目にするのは難しいのが実情です。
そのため、この図鑑は、野生及び飼育環境で動物に食害された作物の痕跡写真を収集・整理し、ウェブ上で公開しています。これにより、作物の食害痕跡を見て、どの動物が加害者であるかを判断する手助けを提供しています。
なお、当店「鳥獣被害対策ドットコム」でも動物のフンや痕跡を獣種ごとに分類して公開していますので、併せて参考にしてください。
この記事を書いた人
【鹿捕獲】くくり罠にかかったシカの行動パターンと接近の際に注意するポイントを解説
投稿日:2020年10月6日
投稿日:2019年6月11日
投稿日:2015年10月30日
投稿日:2012年12月4日
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