野生動物の専門家による鳥獣害対策のためのブログ。野生動物の生態、観察、忌避、捕獲まで、被害を防ぐために役立つ情報を発信しています。

ご相談・お問い合わせ

カラス被害とごみ対策 ~自治体の取り組み~

記事のタイトルとURLをコピーする

こんにちは「鳥獣被害対策.com」の津田です。

今日の鳥獣害対策の知恵袋は、カラスとゴミ対策について、自治体の取り組みを紹介したいと思います。

都会では、カラスによる被害が深刻です。

被害の実態は、

  1. 都会ではごみの散らかし
  2. 人への攻撃
  3. 鳴き声、羽音による騒音

です。

とくに、毎年3月末から7月の繁殖期にはカラスに人が襲われ、怪我をするという被害もあるようです。

東京都では、増えすぎたカラスによる被害が、年々深刻化していきました。

どれだけ増えたの?

東京都のカラスは、1970年台には、山手線の内側ではほとんど確認されなかったようですが、1990年代から多数確認されるようになりました。

また、記録によると1985年には東京都市部には約7000羽だったのが、1996年には約14,000羽、2000年には約21,000羽と、どんどんその数を増やしています。

なぜ増えすぎたの?

この最大の要因は、人が出す大量の生ゴミと言われています。
この大量の生ゴミは、カラスの格好の餌となり、餌の安定供給につながっています。

東京のカラスの食性調査によれば、カラスの餌は2/3程度は、人が出す生ゴミや人からの給餌だそうです。

つまり、カラスは、人の生活に強く依存して生きているのです。

カラス餌付け写真

→都内の公園にて、カラスやハトに餌をあげる人。

→餌をあげずとも、この人が移動すれば、カラスもハトも後をついて移動していきました。

東京都は、どんな対策をしたの?

東京都では、2001年から、カラス対策を始めました。

対策は、「捕獲」と、「餌を断つ」という2本柱で進められています。

まず捕獲は、カラス捕獲トラップによって、捕獲をおこなったほか、4月から6月に、巣を撤去するという方法で行っています。

餌を断つというのは、主にゴミ対策です。
ゴミの収集そのものは、各区市町村が担当のため、ネットの普及を促す、生ゴミを減らす等の要請をおこなったようです。

各区市町村のゴミ対策は、どんなことをやっているの?

では、東京都の要請を受けて、各区市町村はどんな取り組みをおこなっているのでしょうか。

23区の多くの区、

  • 杉並区
  • 世田谷区
  • 品川区
  • 大田区
  • 中野区
  • 豊島区
  • 文京区
  • 板橋区

ほかでは、カラスよけネットが配布されています。

東京都の取り組みの成果は?

カラスの捕獲、巣の撤去等のカラス対策には、今までに数億円の予算が費やされています。

例えば、2002年度に使用された予算は、1億2300万円です。

この費用の大半は、捕獲と、巣の撤去に費やされているようです。

では、これらの取り組みによって、どれだけの成果が得られたのでしょうか。

カラスの生息数は?

2001年の対策当初は約36,400羽であったのが、2010年には約20,800羽
最近3年間は、ほぼ横這いで推移しています。

カラスの捕獲数は?

2001年の対策当初は4,210羽であったのが、2010年までの10年間で、139,574羽捕獲しています。

都庁によせられたカラスに関する苦情相談件数は?

2001年の対策当初は3754件であったのが、平成15年から減り始め、2010年には514件と減っています。

最後に

本当に個体数は減ったのか?という疑問を持つ専門家もいるようですが、こういった取り組みによって
苦情件数が激減しているのは、その対策による効果ではないかと、私は思いました。

東京都の他にも、カラス対策に熱心な自治体はあります。

カラスの被害でお困りの方は、自治体の担当部署へ相談してみてはいかがでしょうか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
★ブログ「カラス被害&カラス対策について」はコチラ⇒
https://www.choujuhigai.com/blog02/archives/256
★カラス被害の対策商品はコチラ⇒
https://www.choujuhigai.com/fs/chiikan/c/bird

  • この記事を今すぐシェアする
  • facebookアイコン
  • Xアイコン

この記事を書いた人

津田 朋香

鳥獣被害対策 お役立ち情報

被害を防ぐために知っておきたい情報を公開中!

▼イノシシ被害でお悩みの方はこちら

トップへ戻る

先頭へ