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アライグマが増え続ける理由とは?

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こんにちは「鳥獣被害対策.com」逸見です。

前回の「アライグマ被害はどこまで進むのか?」に続きアライグマの話です。

アライグマの分布は、すでに北海道、本州、四国、九州に広がりました。

県によってはまだほとんど確認記録のないところもありますが、これらの地域も分布の拡大は時間の問題です。

一方、すでに分布のある地域でも、特に個体密度が高く被害の多い激害地があります。

その一つが神奈川県の三浦半島です。

神奈川県によりますと、この地域では過去平成10年以降、延べ1万頭のアライグマが捕獲されています。

しかし、一向に減少する気配はありません。

実は、野生動物を捕獲によって減らそうとする場合、獲り方によってはかえって増えることがあるのです。

何で?と、驚くかも知れません。

野生の動物では、生まれた子供がすべて育つことはなく、自然に淘汰されていきます。

この淘汰により、強い個体は上手に餌をとり、たくさんの子供をつくる(産む)ことになります。

イノシシなどの場合、箱わなにはよくウリ坊(子供)がかかります。

この捕獲が自然の淘汰より効率の良い淘汰(間引き)になり、残った元気な個体は餌を豊富に取り、どんどん子供を生み個体数を増やす場合があります。

実際、このような理由でイノシシが増えている地域もあるようです。

つまり、適度な子供の間引きはかえって個体数を増やすのです。

神奈川県では、約12年間でアライグマを1万頭も獲って、結局被害を減らすことが出来ませんでした
分布も、北へ西へと広げつつあります。

正確な個体密度を把握することは難しいのですが、対策が適度な間引となって個体密度を増やしていたのかもしれません。

こんな状況では、アライグマの個体数も増え続け、捕殺される個体も増え続けます。

これまでも、神奈川県や関係市町、地域住民の方々は他の都道府県以上に相当頑張ってきたのです。

決して神奈川県の取り組みが他より劣っているとか、手を抜いているということではありません。

まだまだ、科学的に分からないことが多いアライグマの能力が、予測を超えるものであったのです。

人手とお金とを使って、この状況ではアライグマも人間も不幸です。

外来生物法による防除目標の理想は「撲滅」です。

もともと分布がなく、自然に分布が広がることも考えられない日本では、分布しないことがアライグマにとっても、人間にとっても「あるべき状態」です。

人間にとって、農業被害も生態系被害も放っておくことが出来きません。

このまま捕獲や防除を続けていても、こんな状況がだらだら続くぐらいなら、一気に箱わななどで捕獲して撲滅することが出来れば、殺されるアライグマが増え続けることもありません。

それは、実現することができるのでしょうか?

神奈川県は、この状況を打開するべく、地域住民、学識者、市町村の皆さんとともに立ち上がり、今年度、防除計画を大幅に見直したのです。

次回は、この計画を紹介したいと思います。

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アライグマ被害の現状と対策を知りたい方はコチラ⇒
https://www.choujuhigai.com/fs/chiikan/c/description-araiguma

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