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わな猟免許取得への手引きvol.2~知識試験編

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狩猟免許

こんにちは「鳥獣被害対策.com」の宮畑です。

今日の鳥獣害対策の知恵袋は、前回の「わな猟免許への手引き」に続きわな猟免許のなかの知識試験についてのお話しです。

【知識試験の内容】

知識試験は三肢択一式(3つの選択肢があり、正しいもの一つに○をつける方法)の筆記試験です。

全部で30問が出題され、70%以上の得点をとれば合格です。

つまり、21問正解すれば良いということになります。

試験時間は1時間30分です。

出題分野と出題数は概ね以下のとおりです。

①鳥獣の保護及び適正化に関する法律(約13問)

  • ア 鳥獣の保護及び適正化に関する法律の目的
  • イ 狩猟鳥獣、猟具、狩猟期間等
  • ウ 狩猟免許制度
  • エ 狩猟者登録制度
  • オ 狩猟鳥獣の捕獲が禁止または制限される場所、方法、種類等
  • カ 鳥獣捕獲の許可、鳥獣の飼養許可並びにヤマドリの販売禁止
  • キ 猟区
  • ク 狩猟者の狩猟に伴う義務(違法捕獲物の譲渡禁止を含む)

②猟具に関する知識(約6問)

  • ア わなの種類、構造及び機能
  • イ わなの取り扱い(注意事項を含む)

③鳥獣に関する知識(約9問)

(わな猟免許試験では対象となる獣類のみで、鳥類に関する問題は出題されません)

  • ア 狩猟鳥獣及び狩猟鳥獣と誤認されやすい鳥獣の形態(足跡の判別を含む)
  • イ 狩猟鳥獣及び狩猟鳥獣と誤認されやすい鳥獣の生態(習性、食性等)
  • ウ 鳥獣に関する生物学的な一般知識

④鳥獣の保護管理に関する知識(約2問)

  • ア 鳥獣の保護管理(個体数管理、被害防除対策、生息環境管理)の概要
  • イ 錯誤捕獲の防止
  • ウ 人畜共通感染症の予防
  • エ 外来生物対策

分野別の問題例

出題分野を見ると非常に難しそうな問題が出るような印象を受けますね。

以下に例題とその回答を数例あげてみました。

まずは例題を解いてみましょう。

このなかのいくつかは昨年の埼玉県での試験でも実際に出された問題です。

①鳥獣の保護及び適正化に関する法律関連の例題

例題1)鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律の目的についての次の記述のうち、適切なものはどれか。

  • ア 鳥獣の保護及び狩猟の適正化を図り、もって生物の多様性の確保、生活環境の保全及び農林水産業の健全な発展に寄与することを目的としている。
  • イ 狩猟を厳しく取り締まることにより、事故防止及び鳥獣の保護増殖を図ることを目的としている。
  • ウ 野外レクリエーションの一環として秩序ある狩猟を普及することにより、国民の健康の増進と自然とのふれあいを推進することを目的としている。

正解 ア

例題2)狩猟鳥獣の種類についての次の記述のうち、狩猟獣だけを列記しているものはどれか。

  • ア タイワンリス、イノシシ、ムササビ、テン、モモンガ
  • イ シマリス、キツネ、タヌキ、アナグマ、イタチ(オス)
  • ウ ヌートリア、オコジョ、ノウサギ、ユキウサギ、ツキノワグマ、ニホンリス

正解 イ

※アのムササビ、モモンガ、ウのオコジョ、ニホンリスは非狩猟鳥獣。

例題3)狩猟免状の携帯についての次の記述のうち、適切なものはどれか。

  • ア 狩猟を行うときには、常に狩猟免状を携帯しなければならない。
  • イ 狩猟を行うときには、狩猟者登録証を携帯し狩猟者記章を付けなければならないが、狩猟免状を携帯する必要はない。
  • ウ 狩猟免状は、狩猟免許試験の合格通知に過ぎないので、狩猟者登録や狩猟免許の更新のときに使用することはない。

正解 イ

※狩猟時には狩猟免状の携帯は不要。狩猟免状は、狩猟者登録や更新時に必要。

②猟具に関する知識

例題4)イノシシを捕獲するくくりわなの適正な使用方法についての次の説明のうち、適切なものはどれか。

  • ア イノシシの通りみち(けものみち)に仕掛けるときは、必ず足をつくと思われる場所を探して
  • 設置するとかかりやすくなる。
  • イ 単にイノシシの足がくくられただけでは逃げられてしまうことがあるので、かかったらイノシシの体が吊り上げられるようにする。
  • ウ ツキノワグマやヒグマも捕獲することができるように、輪の大きさや仕掛ける場所を工夫する。

正解 ア

※イノシシなどを宙づりにできるものは、危険なわなとして禁止猟具になっている。くくりわなの輪の直径は12センチメートル以下と定められている。ツキノワグマ、ヒグマの捕獲には、くくりわなを含むすべてのわなの使用が禁止されている。

③鳥獣に関する知識

例題5)獣類を大きい順に並べているものはどれか。

  • ア シマリス→テン→イタチ(オス)
  • イ テン→イタチ(オス)→シマリス
  • ウ イタチ(オス)→シマリス→テン

正解 イ

※シマリスは狩猟獣の中で最も小さい。

例題6)イノシシの食性についての次の記述のうち、適切なものはどれか。

  • ア 主にヤマイモやタケノコなどの植物質のものを食べる。
  • イ 雑食性であり、ヤマイモやタケノコなどの植物質のもの、ヘビや小動物などの動物質のものを食べる。
  • ウ ヘビや小動物などの動物質のもののみを食べる。

正解 イ

※イノシシは雑食性である。

④鳥獣の保護管理に関する知識

例題7)有害鳥獣捕獲についての次の記述のうち、適切なものはどれか。

  • ア 農林水産物を食害する有害鳥獣はあらかじめ指定されており、狩猟者登録を受けていれば、狩猟期間外であっても有害鳥獣の捕獲ができる。
  • イ 有害鳥獣捕獲を行うためには、捕獲しようとする鳥獣の種類や捕獲場所等に応じて、環境大臣、都道府県知事の許可を受けることが必要である。
  • ウ 農林水産物を食害する有害鳥獣は徹底的に捕獲し、その個体数をゼロにすることが望ましい。

正解 イ

※どの種が有害鳥獣であるかは、あらかじめ指定されてはいない。害性を発揮する鳥獣であっても、在来種の鳥獣は、一定程度の保護をしなければならない。

例題8)人獣共通感染症(人と動物との共通感染症)についての次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ア 人獣共通感染症には、狂犬病、エキノコックス症、鳥インフルエンザなどがある。
  • イ 鳥獣を触ったあとに手洗いやうがいをすることは、人獣共通感染症の予防に役立つ場合がある。
  • ウ 人獣共通感染症は、人からペットや野生鳥獣などの動物に感染することはない。

正解 ウ

※人獣共通感染症とは、人と動物の間で感染する病気のことである。

いかがでしたか?

一般的な知識でも何とか答えられる問題もあったかと思いますが、やはり事前に覚えておかないと答えられない問題の方が多かったのではないでしょうか。

知識試験に合格するコツ

知識試験で高得点をとるための基本事項は以下の通りです。

①問題文をよく読むこと

問いには

  • 適切なものはどれか
  • 誤っているものはどれか
  • ○○だけを列挙したものはどれか

等の形式が混在しています。

しっかり読んで早とちりしないようにしましょう。

②分かる問題から先にやる

  • 答えが分からない
  • 思い出せない
  • 自信がない

このような問題は時間をかけて悩まず、後回しにして、まずは最後まで問題を解いてみましょう。

分かる問題まで時間切れで解けなかった、などということがないようにしましょう。

③時間いっぱい取り組む

問題がひととおり解けたら、一問ずつ読み返して確認して いきましょう

自信がない問題はもう一度じっくり考えてみましょう。

余裕が出来ると、ふと思い出すこともあります。

以上は試験時の心得的なものです。

その前に重要なことは、やはり「事前に勉強すること」であり、効果的な事前準備をしておくことが
合格点をとるための近道です。

試験の問題は、大日本猟友会発行の「狩猟読本」に書かれている内容から出題されます。
狩猟教本

このため、「狩猟読本」を熟読すれば知識試験は合格したも同然です。しかし、270ページもあるテキストを熟読し、更に内容を暗記することはかなり大変です。

試験に向けての参考文献にはこの他に、大日本猟友会内の野生生物保護行政研究会が発行している「図解 狩猟免許試験例題集」というものがあります。

環境省では、知識試験の模範的な「例題」を公表し、都道府県に対して実際の試験問題の作成に際しての参考にするように通知しています。

各都道府県はその例題をそっくりそのままか、もしくは参考にして類似の問題を作成しています。

このため、時間的な余裕がない場合は、この例題集で勉強するだけでも高得点をとることが可能です。

値段は、

  • 「狩猟読本」が700円、
  • 「図解 狩猟免許試験例題集」が1,500円

で、いずれの文献も、各都道府県の猟友会やその支部で入手できます。

なお、「狩猟読本」や「図解 狩猟免許試験例題集」は、各都道府県猟友会が開催する試験の講習会でテキストとして使用されます。

この講習会では、出題のポイントや過去の傾向なども丁寧に教えてくれます。

なお、知識試験が合格すると次には技能試験が待っています。

技能試験では、

  • 実物のわなの判別と仮設
  • 獣類の判別(絵もしくは剥製)

を行うのですが、使用する猟具の種類や手順は都道府県ごとに若干違ってるようです。

都道府県猟友会が開催する試験の講習会では、実際の試験に使用する猟具と仮設手順なども合わせて
教えてくれます。

このため、合格を確実なものにするためには、猟友会の開催する試験講習会を受講することをお薦めします。

次回は、技能試験についての詳しい解説をします。

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★過去の宮畑ブログ「わな猟免許取得への手引き」はコチラから⇒
https://www.choujuhigai.com/blog02/archives/652
★過去の宮畑ブログ「狩猟免許取得の勧め」はコチラから⇒
https://www.choujuhigai.com/blog02/archives/531
★過去の宮畑ブログ「狩猟免許について」はコチラから⇒
https://www.choujuhigai.com/blog02/archives/513
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★わな猟免許取得への手引きvol.3~技能試験編①「猟具の判別」 はコチラ⇒
https://www.choujuhigai.com/blog02/archives/959
★わな猟免許取得への手引きvol.3~技能試験編②「猟具の架設」 はコチラ⇒
https://www.choujuhigai.com/blog02/archives/969
★わな猟免許取得への手引きvol.3~技能試験編③ 「鳥獣の判別」はコチラ⇒
https://www.choujuhigai.com/blog02/archives/986
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この記事を書いた人

宮畑 貴之

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