ハクビシン対策に有効!「楽落くんNEO」設置で栃木県のいちごを守れ!
投稿日:2021年4月16日
運営会社:株式会社 地域環境計画
投稿日 : 2021年03月05日
更新日 : 2024年03月25日
「鳥獣被害対策ドットコム」の相澤です。
弊社野生生物管理部長であり、現場経験が豊富な宮畑にインタビューを敢行し、年々増え続けているハクビシン被害の現状と対策について伺いました。
今日の「鳥獣害対策の知恵袋」(以下コンテンツ)は、宮畑へのインタビュー内容を再構成し、まとめたものです。
目次
「都心にハクビシンが出た」というニュースを最近耳にすることが増えたと感じませんか?
2019年5月、東京のど真ん中、東銀座駅に直結するエレベーターにハクビシンが出現。
捕獲を試みた駅員が噛まれてケガをしたという事件もありました。
参照:テレ朝news「歌舞伎座地下に小動物出現 捕獲の駅員かまれる」
このように、近年はハクビシンによる農作物被害と生活被害が増加しています。
2005年に「特定外来生物」に指定されているアライグマ。
一方「特定外来生物」に指定されていないハクビシン。
これだけを見ると、アライグマの被害の方が大きいように感じるかもしれませんが、実は、場所、地域によっては「特定外来生物」であるアライグマよりハクビシン被害の方が大きくなっている現状があります。
2017年に環境省が行った、ハクビシンとアライグマの生息分布調査の結果を比較しても一目瞭然、北海道を除く、本州・四国・九州では、アライグマよりハクビシンの方が、分布エリアは圧倒的に広がっているのです。
出典:環境省「アライグマ、ハクビシン、ヌートリアの生息分布調査の結果について」
https://www.env.go.jp/press/105902.html をもとに株式会社 地域環境計画作成
それでは、生息エリアの拡大、個体数増加に比例してハクビシン被害も増え続けている現状を、このまま放置してしまうとどのような影響が出るのか、被害を「農作物被害」と「生活被害」の2つに大別し、それぞれの問題点を確認してみましょう
第一に挙げられるのが農作物被害です。
2016年のハクビシンによる農作物被害は年間4億円にも上り、問題は深刻となっています。
ハクビシンに農作物を荒らされれば、単純に営農者の収入は減少してしまいます。
また、大規模でなく小規模に、細々とやっているような専業農家でない営農者は、電気柵や捕獲用わなの設置など、様々な対応に追われ、対策にかかる経済的、時間的負担が増え、結果、営農意欲を失い、「であればやめてしまえ!」と、事業から撤退してしまうといったケースが増えてくるでしょう。
これにより農業就業人口が減少し、ひいては食料自給率の低下や、農地の多面的機能の喪失といった大きな問題に発展してしまいます。
そして生活被害。
など、人の暮らし、生活環境にも大きな影響を及ぼします。
これにより被害を受けた住民の生活の質は低下してしまいます。
その他、ハクビシンが媒介する人畜共通感染症被害が起こる可能性も孕んでいます。
このように、全国的に深刻な被害となりつつあるハクビシン被害に対して、国や市町村はどのような施策を進めているのでしょうか。
現在、行政が主立って進めている施策として、農作物被害に対する支援があります。
これは、国が決めた枠組みに対し、各市町村が運用支援を行うものです。
具体的に、国は、
を行い、実際の運用については各市区町村に委ねられています。
市町村などの自治体は、「鳥獣被害防止総合対策交付金」制度を活用し、
を実施し、主に農作物被害を減らすための支援を行っています。
行政の支援により農作物被害への対策が進む一方、見落とされがちなのが、営農とは関係のないところで、知らず知らずのうちになされている餌場の供給です。
例えば、一軒家の庭先に植えてある果樹。
実は、都会や市街地で生活しているハクビシンにとっては、そういった場所が格好の餌場となり、ハクビシンを寄せ付けてしまっていることもあるのです。
「え?でもうちの周りには果樹や畑、緑なんてほとんどないのにハクビシンなんているの?」と思うかもしれませんが、ハクビシンは餌場がまとまっていなくてもそこに住み着いてしまう可能性は十分あり得るのです。
というのも、半樹上性動物であるハクビシンは、細い塀の上や電線の上も渡れるくらい縦横無尽に移動ができ、また、生態的に群を成して行動しないため、まとまった緑地がなくても、個体ごとに細かな餌場を点々と徘徊し、その時に食べられる果物や野菜、生ごみなどを食べて生活できるからです。
重ねて、ハクビシンの行動圏はそこまで広くなく、餌を求めて10㎞単位の長距離移動をしながら生活するということはありませんから、市街地であればその街中の一定の範囲を中心に繁殖しやすい場所を選定し住み着き、決まった餌場を定期的にぐるぐると回るように行動するのです。
ちなみに、インタビューをした宮畑さんのお宅にはブドウの木があるそうですが、実がなる季節にはハクビシンが現れていたそうです。
このようにして、ハクビシンは緑や畑のない市街地でもどんどんと繁殖しているのですね。
果物から生ごみまで、幅広い食性を持ったハクビシンですが、特に好物となるのは、甘い果物です。
具体的には、
など、庭先に植えてあるような一般的な果物は、ほぼ全部食べると考えてよいでしょう。
特に被害にあいやすい果実や野菜では、固くて未熟なものは狙わず、トロトロに熟したものを好んで食べますので、収穫前夜に食べられてしまったというのはよく聞く話です。
その他、
などなんでも食べますが、多少植物食に偏った雑食性です。
果樹にエサとなる果物が実っていなければ、生ゴミを漁るなどの行動も取ります。
地面はもちろん、塀の上、電線も難なく移動できる、非常に身軽なハクビシンは、木の柱やひっかかりのある雨どいを伝って、忍者のごとくベランダや屋根裏に侵入します。
逆に、ひっかかりのないツルツルした素材だと、さすがのハクビシンも登ることは困難なようです。
ハクビシン被害を防ぐための対策は、まずハクビシンの侵入口、経路を特定するところからはじめましょう。
ハクビシンが侵入できる最小の隙間の大きさは、
だと言われています。
基本、ハクビシンのような哺乳動物は、頭と肩さえ入れば体全部抜けられますので、この大きさとなります。
もしかしたら、あなたがイメージしていた隙間の大きさよりも随分狭いことに驚かれたのではないでしょうか。
ハクビシンの足跡は特徴的で、爪跡が付かないことも多く、ネコと同じような形の5本指の足跡が付きます。
ネコは4本指しか付きませんから、区別しやすいですね。
ハクビシンの足跡を見つけたら、その付近や通り道となりそうな場所に、フットポイントトラップ(小麦粉や石灰などを地面に撒き、付いた足跡から獣種を特定する方法)を仕掛けることで、地面以外の場所など、例えばどこを伝って昇っていったのか、足跡を追跡できるので非常に便利です。
例えば、木の枝がベランダまで伸びていると、木の枝を伝って、ベランダから屋根裏へと侵入される可能性があります。
侵入経路は雨どいだけでなく、家屋周辺の木の枝や電柱もあり得ると考え、こまめな枝の剪定や有刺鉄板(雨どい専用)の設置をし、侵入経路をひとつずつ潰していきましょう。
屋根の上、ベランダや庭先に落ちているフン。
もしかしたら、ハクビシンのフンかもしれません。
しかし、ハクビシンのフンを見分けるのは非常に難しいのです。
なぜなら、ハクビシンを含め、アライグマ、タヌキなどの中型獣のフンは、基本形状が同じで、大きさは10㎝弱、2~3㎝の太さのものが多く、さらに食べるものによって糞の形状や質感が変わるため判別しづらいからです。
ただし、イヌやタヌキでは屋根の上や2階のベランダの上まで登ってくることはほぼないため、ハクビシンもしくはアライグマのものであると絞れます。
ハクビシンによる生活被害でよく聞くのが、騒音、糞尿被害です。
屋根裏にハクビシンが侵入すれば、タタタタといったネズミレベルの小さな音ではなく、ドタドタといった大きな音が響く騒音となります。
ハクビシンによる糞尿被害は、衛生面の問題をはじめ、悪臭、さらには天井の腐敗による家屋損壊まで及ぼします。
実際にハクビシンの糞尿により天井が腐敗し天井が抜け落ちたといった被害も出ており、その場合、屋根裏のハクビシンの駆除から糞尿の除去、消毒、天井の張替工事等の費用がかかり、大事に至ってしまいます。
このようなことになってしまわないよう、ハクビシン対策の基本、「侵入口を特定し侵入口を塞ぐ」といった物理的な防除対策をやっておきましょう。
また、侵入口を塞ぐ際、注意しなければならないポイントがあります。
すでに侵入を許してしまい、屋根裏や床下に住み着き、繁殖してしまっているような状態で入口を塞いでしまうと、閉じ込められたハクビシンは中で死んでしまい、
の原因になってしまいますので、中にハクビシンいないことを確認してから侵入口を塞がなければなりません。
もし、あなたの家の屋根裏にハクビシンが住んでいれば、必ず足音がするはずです。
塞ぐ前に足音がしていないかしばらく様子を伺って、足音のしない時間帯を見計らいましょう。
夜行性のハクビシンは夜に活動することが多いので、昼間のうちに侵入口を確認しておき、夜、エサを求めて出払ったのを確認してから穴を塞ぎましょう。
ただし、昼間の活動は絶対にしないかというと一概にそうとは言い切れませんので、注意深く観察する必要があります。
「バルサン」のような燻煙材を焚いて追い出してから侵入口を塞ぐという方法も効果的です。
ただし、親子で棲みついていて、そこに産まれたての幼獣がいる場合は、子どもだけ取り残されてしまう場合がありますので注意が必要です。
このような対策を講じてハクビシンを追い出し、侵入口を塞いだとしても、糞尿が残った状態を放置すればそのうち腐ってしまいます。
追い出して塞ぐ、フンの除去清掃、消毒まで全て行わなければ、徹底した対策とは言えません。
それが難しい場合、ハクビシン駆除の専門業者に依頼するのもよいでしょう。
巷には害獣を寄せ付けないための匂いを発する商品、追い払うための爆音器などが売られていますが、このような忌避用品で対策することは可能なのでしょうか。
ハクビシンだけではなく、基本的には、どんな動物も
などにはいずれ順化(慣れ)してしまうので、長期的な対策としての効果は見込めません。
ただし、使い始めの一時的、短期的な効果については、全くないわけではないので、住み着いてしまったハクビシンの一時的な追い出しが目的であれば、嫌がる音や匂いで追い出すことは可能です。
追い出した後は侵入口をすぐに塞いでしまえばよいのですが、このような単発的な忌避用品を使用したところで、狙い通り、うまく追い出せるかは分かりませんので注意が必要です。
外には出ず、奥の隅の方に隠れて、怯えて動かなくなってしまう可能性も十分あり得ますので、追い出しをするのであれば、このような忌避用品を使用するよりも燻蒸してしまう方が確実です。
ハクビシンを追い出し、追い払い、侵入口を塞いだとしても、ハクビシンの生息個体数自体が減るわけではありません。
追い出されたハクビシンはまた別の住処、エサを探し求めて徘徊をしますから、地域全体としての根本的な問題解決を図るのであれば、やはりハクビシンを捕獲、駆除しなければなりません。
しかし、被害が出ているからといって、勝手にハクビシンを捕獲、捕殺してよいわけではなく、捕獲、処分したい場合には、原則として自治体への許可申請などが必要になります。
自治体によっては、捕獲わなの貸し出しなどサポートを行っているところもありますので、捕獲を検討されている方は、まずは最寄りの自治体に相談し、被害状況に応じた許可申請、必要資格などについて問い合わせてみることをお勧めします。
※許可なく野生鳥獣を捕獲すると、「鳥獣保護管理法違反」となり、違反した場合、罰則が科せられます。
上記で必要な申請許可が下り、いよいよ箱わなを設置する段階となったとき、特に初めての方が気にされるのが、
など、効率よく確実に捕獲する方法だと思います。
では、ハクビシンを捕獲する際、どのような点に注意すればよいのか、以下に挙げていきましょう。
ハクビシンはアライグマと比較すると、警戒心が強く、箱わなに入りづらいことがあるので、餌に慣らす期間を少し長めに確保しましょう。
個体差による部分も大きく、一概に、何日間慣らし期間を設けましょうとは言い難いのですが、適切な捕獲タイミングを計りたい場合は、トレイルカメラでモニタリングしながらエサに慣らしていくことをお勧めします。
宮畑さんによると、箱わなを仕掛けたときは、上の動画のように、どの個体もなかなか罠に入らず、警戒して罠の周りをぐるぐる徘徊していることが多かったように感じたそうです。
また、宮畑さんから効果的な捕獲方法として、以下のアドバイスもいただきました。
そして、宮畑さんは、このような慣らし期間を1カ月弱ほど設けてから捕獲を試みたところ、捕獲に成功したそうです。
ハクビシンの捕獲というと箱わなを使用するのが一般的ですが、箱わな以外で捕獲することもできます。
例えば、狩猟免許があれば、くくり罠でもハクビシンを捕獲可能です。
ただし、ハクビシンは捕獲されると暴れ回り、保定(捕獲後、器具を使用し個体の動きを制限し、捕獲者の安全を確保すること)も大変といった理由から、くくり罠によるハクビシンの捕獲は、特に初心者の方には推奨していません。
ハクビシンはアライグマに比べると圧倒的に性質が荒く、実際、箱わなの中に入っていたとしても非常に獰猛で、歯を剝き出し威嚇してきて手を近づけると飛び掛かって嚙みつこうとしてきますから、その姿に慣れていない人は驚いて後ずさりするほどです。
ちなみに、宮畑さんは、今までアライグマには歯を剝かれて威嚇されたことはないそうで、アライグマはどちらかというと怯えて、罠のすみっこでじっとしていることが多い印象だそうです。
獣種によって気性の荒さなど習性、特性にも違いがありますから、捕獲対象動物に適切な罠を選ぶようにしましょう。
このように非常に凶暴な性格のハクビシンですから、捕獲した後、箱わなに迂闊に近付けば攻撃されケガをしてしまう可能性も十分にあり得ます。
咬まれたり引っかかれたりすることによる感染症の危険性も考慮し、捕獲した罠に触れる際は必ず専用の皮手袋(プロテクショングローブ)をはめて、手、腕を防御しましょう。
ハクビシンを捕獲した後の処分はどうすればよいのでしょうか。
具体的なステップとしては、
となります。
一般的にも使用しやすくコストも抑えられるのが、炭酸ガスによる安楽死装置を使用した処分です。
ただし、その場合は捕獲した箱わなに適した処分箱や炭酸ガスの準備が必要となります。
保定してナイフ、電気止め刺し器による処分については、上述した通り、ハクビシンは暴れ回って保定が難しいためあまり推奨しません。
狩猟免許保持者、且つ銃猟禁止区域外であればエアライフル(空気銃)が使用できますが、エアライフルの所持・使用については銃刀法による銃所持許可を受ける必要があるため、一般向きではありません。
自治体では原則として捕獲したハクビシンの殺処分(捕殺)を請け負っていませんが、自治体によっては猟友会などが有料で代行してくれる場合もあります。
または、専門業者に依頼してお願いしてもよいでしょう。
詳しい廃棄方法については最寄りの自治体にお問い合わせください。
殺処分後であれば市町村の焼却施設が引き取ってくれるところもあります。
ハクビシンは外来種ではありますが、2021年3月時点では「外来生物法(特定外来生物による生態系に関わる被害の防止に関する法律)」においては、外来種として定義されないため、当然「特定外来生物」にも指定されていませんので、山奥に持って行って放すことは法律上禁止されていません。
ただ、放したハクビシンが、他所の地域でまた同じ被害を起こしてしまうことを考えると、根本的な問題解決とならないため、放獣は推奨しません。
【注意事項】
上述の通り、ハクビシンの捕獲から処分まで全てを個人で行うには相当な手間がかかり、業者に依頼するにも金銭的負担がかかります。
また、アライグマと違い放獣も禁止されていないハクビシンは、捕殺処分されず山奥に放たれることも多々あります。
現状、ハクビシンの捕獲処分にはこのようなハードルがいくつもあるため、思うように捕獲が進まず、個体数は増加の一途を辿っているとも考えられます。
一方、「特定外来生物」に認定されているアライグマは、各県が策定する「防除実施計画」に沿って、各市町村が防除を進めています。
そして、捕獲希望者は、県を主体に各地域で開催される「防除従事者講習会」に参加、認定を受けることで「防除従事者」として登録され、わな猟免許所持者でなくてもアライグマの捕獲を行うことが可能となります。
現状はアライグマの「防除従事者証」を発行し、罠を設置したが、ハクビシンを錯誤捕獲(捕獲対象動物以外の動物が誤って捕獲されること)してしまった場合、法律上ハクビシンは放獣する必要があります。
これが原因で捕獲従事者と自治体がトラブルになるケースもよくあります。
この問題を解決するために、近年では、外来生物法による「防除捕獲」と鳥獣保護管理法による「有害鳥獣捕獲」の許可申請を同時にしておくことで、アライグマ、ハクビシン、どちらを捕獲しても処分できるような形で対応している自治体も増えています。
鳥獣捕獲に対する重要性、獣害が与える甚大な影響については、農作物被害者と生活被害者間で、知識や情報、危機感に乖離があるようです。
例えば、ハクビシンによる生活被害を受けている人からすれば、昔からネズミはネズミ捕りで普通に捕まえていましたから、ハクビシンもその感覚で許可なく捕獲してしまう人が多いのだと思います。
一方、農作物被害、農業従事者であれば、ハクビシンに限らず、他の獣種含め、有害鳥獣による農作物被害対策に自治体から補助金が出ますから、その辺の情報や知識はある程度共有、認識されています。
また、農協のような情報発信のハブもあるため、市街地で生活被害を受けている人と比較すると、情報やネットワークの量に差があります。
この情報格差、危機感の均一化を図るのもハクビシン被害を減らすための大きな課題となります。
ハクビシンにとっては、農作物被害も生活被害も関係ありません。
豊富な餌場と快適な住処さえあればそれでよいのです。
営農者は餌場となる農地に侵入させない対策を図り、同時に捕獲していく。
地域住民は住居や空き家に寄せ付けないために庭先の果樹や生ごみの管理、侵入させないための対策を講じ、侵入されたら捕獲をする。
地域が一体となり、自治体と連携し、このような相方向的な取り組みを行っていくことで、ハクビシン被害を減らしていくことができるのではないでしょうか。
捕獲だけでは物理的な生息密度を一気に下げられるわけではありません。
など、農作物を餌とされないような防除対策をしながら捕獲を進めていくことで徐々に個体数を減らしていくことができます。
繫殖能力が高いハクビシンは早めに駆除をしないと、どんどんと増えていきます。
農作物被害同様、まずは侵入口を塞ぐことを第一として、
このような地道な取り組みを長期的に行っていくことでハクビシンの被害、生息個体数を減らしていくことができるのだと考えます。
さて、宮畑さんのインタビューを終え、ホッとしたところで最後に面白い話を聞きました。
それは、ハクビシンの味の話です。
宮畑さんは、自分で捕獲したハクビシンは美味しくいただくことにしているそうです。
甘みのある脂身は少しの熱で溶けるほど融点が低く、ソフトでクリーミーな味わいが何とも言えないのだとか。
また、脂身が多く、塩コショウで焼いただけでもおいしく、煮ればすごくいい出汁が出るし、どんな調理法にも合うそうです。
鍋にすれば、昔からムジナ汁として食されている、アナグマ以上、イノシシを超えたかも、というほど驚くほどおいしく、星3つの高評価だそうです。
さすが、宮畑さんは食通ですね!
ハクビシンは中国ではポピュラーな食材、中国語名「果子狸」と言われているだけあって、やはり美味しいのですね。
私もハクビシンを食べてみたくなりました。
しかし、なぜこんなに美味しいのに、こんなにたくさん生息しているのに、食材として世の中に出回らないのでしょうか。
ハクビシンがイノシシやシカに比べジビエとして出回らない理由は、やはり安定供給ができないのと、一個体に対して可食部の取れ高が少ないからでしょう。
東京には、アナグマ(ムジナ)専門店はあったりするのですが、ハクビシンに関しては、日本での歴史も浅く、捕って販売という流通経路の確立には法的な縛りもありハードルが高く、中国や東南アジアのように簡単ではないというのも大きな理由です。
また、2003年、中国の一部で食用として狩猟されているハクビシンが新型肺炎(SARS)の感染源として疑われてからというもの、ハクビシンに対する印象があまり良いものではないというのも理由としてあるかもしれません。
最後に宮畑さんは、「個人的にはハクビシンの美味しさをもっと皆さんに知ってほしいので、近い将来、ハクビシンのジビエのお店が増えてくれることを期待しています」と言い、去っていきました。
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この記事を書いた人
ハクビシン対策に有効!「楽落くんNEO」設置で栃木県のいちごを守れ!
投稿日:2021年4月16日
投稿日:2013年9月13日
投稿日:2013年8月15日
投稿日:2012年5月8日
投稿日:2011年12月28日
投稿日:2011年11月22日
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