野生動物の専門家による鳥獣害対策のためのブログ。野生動物の生態、観察、忌避、捕獲まで、被害を防ぐために役立つ情報を発信しています。

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マダニ媒介感染症のキケンと対策

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こんにちは、地域環境計画北海道支社の久野です。

株式会社地域環境計画は「鳥獣被害対策.com」の運営会社です。

5月29日に以下のニュースが発表されました。
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宮崎県で70代の女性がマダニを介して感染する、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)を発病し、死亡。
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重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とはダニ媒介性感染症のひとつで、潜伏期間は6日から2週間。

発症すると主に

  • 発熱
  • 嘔吐
  • 下痢

などの消化器症状が現れます。

重症化した場合、死に至ることもあり、国立感染症研究所によると致死率は6.3~30%とされています

日本におけるSFTSの症例は55件(2014年5月7日時点)で、いずれも西日本で発生しています。

特に今回ニュースとなった宮崎県は、SFTSを原因とした死亡者数が全国最多となっており、これまでに7名の死亡が確認されています(2014年5月29日時点)。

今回亡くなられた女性は、山などに行っていなかったにもかかわらず発症したことから、民家近くの草むらにもマダニが生息している可能性が指摘されており、登山や山菜採りをしないからといって、安心することはできません。

かくいう私もマダニが体に付いていたことは何度もあり、山を歩いたあとムズムズするなと思ったら、大抵、耳の裏や腰をマダニがよじのぼっています。

↑手をよじのぼるマダニ(コンビニの駐車場で撮影)

※野外活動をしたあとは、お店に入る前に毎回マダニチェックをするのがエチケットです。

さて、外に出ることのある誰もにマダニにかまれるリスクはありますが、特に獣害対策等でわなや柵を 設置する方は、野生動物が多く生息する環境で作業をするわけですから、リスクが高いといえるでしょう。

なかでも野生動物との直接的な接触のある箱わなやくくりわなの使用には、マダニに細心の注意を払う必要があります。

箱わなやくくりわなで野生動物を捕獲した際は、直接手で触れずに、ゴムや革の手袋を必ず装着するように心がけましょう。

また、長袖の服を着て、袖は手袋の中に入れましょう。

足元や首元、腰なども同様に注意が必要です。

肌が露出しやすい部分は、タオルで隠すなどの対策をとりましょう。

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以前、動物の皮なめしの方法についてご紹介しましたが、動物の解体作業や、加工作業の際にもマダニが体に付着しやすいので服装には注意しなくてはなりません。

※野生動物の利活用レポート①~皮から革へ~
https://www.choujuhigai.com/blog02/archives/4015

↑なめす前には必ず手袋を装着!

万一、マダニにかまれてしまった場合ですが、無理に引き剥がしてしまうと、マダニの口が皮膚に残ってしまうことがあります。

また、引き剥がそうとしてマダニをつかんだ際にマダニの体液が血中に流れ込み、かえって感染症のリスクを高めてしまう可能性も指摘されています。

マダニにかまれた際は、無理に引き剥がそうとせず、皮膚科を受診しましょう。

ネット上や書籍では、対処法として

  • ライターの火を近づけたり
  • アルコールを浴びせたり
  • ワセリンで覆ったり

してマダニに刺激を与えると、皮膚から離れることもあると紹介されていますが、過度の刺激によって吸血中のマダニが死んでしまうと、皮膚にかみついたまま離れなくなるので、やはり余計な刺激は与えずに速やかに皮膚科を受診することをおすすめします。

現在、死亡例は西日本に集中していますが、厚生労働省の発表によると、北海道や東北を含む全国の広い範囲でSFTSウイルス保有マダニがすでに確認されています。

マダニの活動が活発になる春から秋にかけての野外活動は、場所がどこであれ、気をつける必要があるでしょう。

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この記事を書いた人

久野 航

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