続・イノシシの夜間行動を観察する方法とは? ~赤外線カメラを搭載したドローンで多摩川の河川敷を探ってみた編~
投稿日:2019年6月7日
運営会社:株式会社 地域環境計画
投稿日 : 2014年04月08日
更新日 : 2024年03月21日
こんにちは、地域環境計画の園田です。
※株式会社地域環境計画は「鳥獣被害対策.com」の運営会社です。
タヌキと聞いて、みなさんはどのようなイメージを持ちますか?
いずれの狸も、
といったネガティブなイメージがあります。
一方で、キツネは畑を荒らす、害獣であるネズミを捕ることからお稲荷さんとして全国的に祭られているように、俊敏で賢い(あるいはずる賢い)といったイメージがあります。
タヌキもキツネも分類学上はイヌ科ですが、その特徴には大きな違いがあります。
タヌキは、世界的にみると
に生息しており、一部人為的に移入された地域を除けばあまり分布は広くありません。
一方、キツネは、
の砂漠から極地まで幅広く分布しています。
タヌキとキツネは、里山の動物とよく言われますが、東京都では都市化にともなって、生活環境を失い、分布域を西部へ退行したといわれています。
しかし近年、東京23区におけるタヌキの分布調査では、タヌキは23区中18区(78%)に生息していることがわかり、「都市だぬき」とも言われるほど環境に順応して分布を拡大していることがわかりました。
一方、キツネについての国内の詳細な分布はわかりませんが、多摩丘陵では森林や草原といった環境が少ない地域ではほとんど見られません。
では、なぜ「都市だぬき」が出現したのでしょうか。
タヌキは、雑食性でとにかく
となんでも食べます。
都市だぬきはゴミも漁ります。
そのため、特に俊敏に動く必要がないのでしょう。
キツネも雑食性ですが、森林性のネズミなどの小型哺乳類を捕食する割合が高いようで、ネズミを捉えるための俊敏さを備えています。
ですから、タヌキは鈍重なイメージがあるのかもしれません。
タヌキの分布拡大や鈍重な性格からか、交通事故が非常に多いことが問題になっています。
日本全国の高速道路で10万~30万件にも及び、一般道でも毎年数多くのタヌキが事故に遭っています。
タヌキと自動車の接触は、交通安全上の問題と生態系保全の観点から問題とされています。
従来は、タヌキは侵入防止柵のフェンス下を掘って道路内に侵入すると考えられていました。
そのため、最近ではフェンス下を塞ぐ対策がされています
ところで、2013年の東京農工大学の食肉目動物保護学研究室の研究では、タヌキがフェンスを登攀する メカニズムを明らかにし、高さ2.5mの一般的なひし形のフェンスであれば、容易に足と噛み付きによって登りきることが報告されました。
また、タヌキの果樹や果菜類の農業被害も報告されており、モモの木を登り降りすることや1.2mのフェンスを飛び越えるところが赤外線センサーカメラによって撮影されています。
私もタヌキが木を登り降りする、フェンスを登るとは思ってもみないことでした。
動物の行動は人の想像を越えるということでしょうか。
タヌキによる被害は、被害額としては
と比較すると少ないようですが、もしかしたら、これらの被害の陰に隠れてタヌキの害も増えているのかもしれません。
野生動物の鳥獣被害はいたちごっこで、対策を行っても新たな問題が出てきます。
この背景には、人間の思い込みもあるのかもしれません。
ですから、調査研究に基づいた野生動物の鳥獣害対策が非常に重要になるわけですが、対策に対する優先順位は高く、基礎的な研究はおろそかになりがちです。
もっと、人間もタヌキに化かされないように対策をしないといけませんね。
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★タヌキの生態や被害の現状などを知りたい方は⇒
https://www.choujuhigai.com/fs/chiikan/c/description-tanuki
★キツネの生態や被害の現状などを知りたい方は⇒
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