野生動物の専門家による鳥獣害対策のためのブログ。野生動物の生態、観察、忌避、捕獲まで、被害を防ぐために役立つ情報を発信しています。

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郷土の味を地域の資源として

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こんにちは、地域環境計画の上崎です。

株式会社地域環境計画は「鳥獣被害対策.com」の運営会社です。

私事ですが、昔から全国紙の日○経○新聞と地方紙の神○新聞をとっています。

国の経済や政策、国際情勢等についてはもちろん全国紙なのですが、ローカルネタは地方紙が断然面白いので、お勧めです。

さて、私が大学を卒業するまで住んでいた実家は、兵庫県の猪名川町にあります。

猪名川町は、兵庫県の南東部、

  • 川西市
  • 宝塚市
  • 三田市
  • 篠山市
  • 豊能郡

に囲まれた北摂の自然豊かな町で、私の実家はその町内でも北端付近に位置し、清流猪名川沿いに形成された谷部とその周辺に発達した中間山地域です。

町南部は都市化が比較的進んできていますが、北部にはまだまだ山野が残っており、人口推移を見てみると、今でこそ約3.2万人(H21)にまで増加しましたが、私が大学生の頃は約2.1万人で、高校生の頃はその半数の1.1万人、さらにさかのぼって小学生の頃には僅か7千~1万人ほどでした。

世帯数も1.8~2.8千世帯で、通っていた小学校は幼稚園と併設され、全ての学年が1クラスしかなく、クラスメイトも30人程度といった本当に小さな町でした。

周囲にはゲームセンターやコンビニ等も当然なく、遊び道具と言ったら山や川に転がっているものばっかりでした。

そんな環境下でしたので、小学生の頃から

  • 川でオオサンショウウオを見たり
  • 猪名川を乱舞するゲンジボタルを家族で採りに行ったり
  • 潜ってカジカを突いたり
  • 台場クヌギのある里山でオオクワガタ採りをしたり

と、とにかく山と川で遊びまくりながら生きものに興味を持ち、この業界に就くに至っています。

私の小学校時代の話です。

クラスに(といっても一学年たった1クラスだけですが)自宅が猪肉店を営んでいる友達がいました。

その友達の家の前には、解体されて内臓が抜かれたイノシシが、いつ行っても何頭かぶら下がっており、店の前を通るたびにその生々しい姿に多少恐怖したとともに、猟銃を複数積んだ軽トラックの荷台に何頭ものイノシシを乗せて運び帰ってくる叔父さんの姿を見て「格好ええなぁ」、子供心ながら思っていた事を記憶しています。

また、猪肉店の対面には地鶏屋が、近くには椎茸屋がありました。

今でもそれらの店はありますが、今となって思えば、なんと素晴らしい地域に自分は住んでいたのだろうと感じ入ります。

新聞の話に戻ります。

先日、この友達のお父さんが経営していた猪肉店が、神○新聞に掲載されていました。

こういったところが地方紙ならではです。

タイトルは「郷土の味 親しんで」。

自分が育った猪名川町の幼稚園と小中学校で、全国学校給食週間に合わせて、1月29日に学校給食として「ぼたん汁」が振る舞われたそうです。

しかも、これは10年前から続いているのだと記事にありました。

私が子供の頃は、周囲の方から猪肉を分けてもらい、自宅でぼたん鍋や猪肉を使ったみそ焼き?を結構な頻度で食べさせてもらっていた記憶があります。

残念ながら当時はそこまで美味しいとは思っていませんでした。

現在、猪肉は値段の張る食材の1つのイメージがあり、量り売りの金額を調べてみると、

  • 上ロースでグラム1500円以上
  • 肩ロース・バラ・もも等の併せが1000円程度
  • 切落しでも300円位

の値段がついているようです。

ぼたん鍋や丹波の黒豆等で有名な篠山市の有名レストランでぼたん鍋を食べようものなら、1人前4000~8000円位しそうな勢いです。

まさか給食でそこまで良い部位を使っているとは思いませんが、こんな高級食材を使った学校給食、楽しそうで美味しそうですね。

そして羨ましい!!

近年、シカやイノシシ等による農林業被害や生態系への影響など、獣害・狩猟というキーワードがクローズアップされており、

  • 地方自治体
  • その他関係機関や団体

でその対策が急がれています。

環境省では、平成24年度から「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」を全国で開催し、社会的な意義を持つ「狩猟」の役割や魅力を広く伝えようとしています。

また、野生鳥獣と人との軋轢を解消するための科学的なデータに基づく保護管理事業を計画的に実施するため「特定鳥獣保護管理計画」を策定、あるいは従来の保護を前提とした個体数調整から、捕獲対策の強化を含めた積極的な管理へ転換する。

具体的には、一定の技能があって、適切な安全管理ができると認められる捕獲専門の事業者を都道府県が認定する制度を創設して、より効率的な捕獲の実施を図る、さらに、国が全国の捕獲目標などを盛り込んだ指針を示し、これまで市町村が中心だった捕獲事業について、必要に応じて都道府県や国が実施できるようにしたい、などとして「鳥獣保護法の改正(案)」を検討しているなど、様々な取り組み・動きが見られます。

日本では、シカやイノシシは捕獲後にその多くが廃棄されているのが現状ですが、欧州のように野生鳥獣の肉(ジビエ)を地域の資源の1つとして捉え、積極的に販路も開拓し、学校給食や外食店等にもっともっと活用できるようになれば良いなと考えます。

獣害対策により、地元も潤い、地域が活性化する。

その行動そのものが地域の生物多様性の向上や維持に貢献する仕組み。

そのためには解決すべき沢山の課題があります。

株式会社地域環境計画では、

  • 地域の生物について種相を調べ、
  • 地域の概況を把握し、
  • 様々な影響を予測する。

といった環境調査を多く手掛けています。

これら沢山の課題を解決するためには、これまでと少し違った視点で環境や生きものを見つめていく事が、今後ますます求められてきそうです。

「郷土の味を地域の資源として」

難しいけど頑張らねば・・・

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https://www.choujuhigai.com/fs/chiikan/c/boar
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この記事を書いた人

上﨑 聰敏

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