投稿日:2018年2月26日
有害鳥獣を捕獲した後は?~捕獲個体の処分方法と法律について~
投稿日 : 2013年10月11日
更新日 : 2024年03月21日
株式会社地域環境計画の久野です。
※株式会社地域環境計画は「鳥獣被害対策.com」の運営会社です。
鳥獣被害対策.comでは、箱わなやくくりわなといった猟具を販売しております。
わなで野生動物を捕獲しようとする場合、いくつかの法令が関係してきますが、特に『鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(鳥獣法)』が深く関わってきます。
※鳥獣類の捕獲は、鳥獣法等の法律によって規制されています。 罠を使った捕獲には、捕獲許可や狩猟免許が必要ですので、事前にお住まいの県や市町村へご確認ください。
獣害にお困りで、これからわなを使って野生動物を捕獲したいと考えている方、今まで色々なわなを使っていたけれど、法律についてはよく知らないという方。
法律を守って正しく野生動物を捕獲するために、鳥獣法の内容について、しっかり確認しましょう。
今回は、わなで野生動物を捕獲したあと、法律上どのように対処しなければならないかについてお話いたします。
罠で捕獲した野生動物の処分について定められた法律
まず、捕獲した個体は、基本的にはその全量を持ち帰るか、もしくは適切に埋設処理をしなくてはなりません。
鳥獣法では、一部の例を除き、捕獲した個体の全量または一部を捕獲した場所に放置することを禁止しています。
具体的には、鳥獣法第十八条(鳥獣の放置等の禁止)に以下のような記載があります。
鳥獣又は鳥類の卵の捕獲等又は採取等をした者は、適切な処理が困難な場合又は生態系に影響を及ぼすおそれが軽微である場合として環境省令で定める場合を除き、当該捕獲等又は採取等をした場所に、当該鳥獣又は鳥類の卵を放置してはならない。
ではこの条文に記されている、「適切な処理が困難な場合」とはどのような場合を指すのでしょうか。
有害鳥獣の処分で「適切な処理が困難な場合」とは?
それは鳥獣法施行規則(環境省令)の第十九条に記されており、以下のいずれかに該当する場合と定められています。
- 地形、地質、積雪その他の捕獲等又は採取等をした者の責めに帰すことができない要因により、捕獲等をした鳥獣又は採取等をした鳥類の卵を持ち帰ることが困難で、かつ、これらを生態系に大きな影響を与えない方法で埋めることが困難であると認められる場合
※生態系に大きな影響を与えない方法で埋めることが困難な場合の例として、地質や凍土等の影響等により、捕獲した鳥獣を地表に露出しない程度に埋めることが難しい場合などが考えられます。
- 過失がなくて捕獲等をした鳥獣の行方を確知することができない場合
- 法第十三条第一項の規定により捕獲等をした鳥獣又は採取等をした鳥類の卵を農地又は林地に放置する場合
※法第十三条第一項の規定とは、農業又は林業の事業活動に伴い捕獲等又は採取等をすることがやむを得ない場合に、環境大臣または都道府県知事の許可を要しないという規定で、対象となるのはモグラ科の全種とネズミ科の全種です。
- 漁業活動に伴って意図せず捕獲等をした鳥獣を、当該捕獲等をした場所で放出する場合
つまり、自分の畑が荒らされるので、やむを得ずわなを使って野生動物を捕獲した場合を例にすると、捕獲個体の行方がわかっており、かつ全量を持ち帰るか埋設することが可能な状況で、捕獲個体がネズミかモグラでない場合、その場所に放置することは許されないということになります。
有害鳥獣の処分について違反した際の罰金
なお、鳥獣法第十八条の規定に違反した場合は、第八十六条の罰則規定に基づき、30万円以下の罰金が課せられます。
くれぐれも、捕獲した鳥獣の処分には気をつけ、野生動物を捕獲した後は各自治体の指導に従いましょう。
ちなみに1年ほど前に、知り合いの猟師さんが捕獲したイノシシの処理をお手伝いする機会があったのですが、その時はイノシシの一部を捕獲した土地に埋設処分し、食べられる部分は持ち帰ってすべて胃袋に収めるという適切な処分(?)を施しました。
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