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北上するイノシシたち、その被害と現状

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こんにちは、「鳥獣被害対策.com」の浅尾です。

今日の鳥獣害対策の知恵袋は、イノシシ被害についての話です。

イノシシは本州以南に広く生息する南方系の動物です。

足が短いため多雪地では身動きができないほか、雪が多いと地面をほじくり返して餌を取るのが難しいため、積雪の多い東北地方や北陸地方には生息していないと言われていました。

が、近年では、私の住む東北地方でも徐々に増えてきています。

以下の図をご覧下さい。
イノシシ分布図

オレンジ色が2003年になって新たに確認された範囲を示していますが、近年になり、従来生息していなかった東北地方や北陸地方にまで 分布を広げていることがわかります。

このようにイノシシが増えた要因としては、 様々なことが考えられます。

一番の要因は、かつての天敵であったオオカミの絶滅です。

天敵がいなくなったイノシシは、人の手により個体数の調整をしなければならなくなってしまいました。

イノシシは狩猟者にとっては魅力的な獲物なので、かつては乱獲が心配された時期さえありましたが、近年は狩猟者がどんどん減少した結果、増えていると考えられます。

イノシシは1産あたりに4~5頭前後もの子供を産むため、捕獲圧が減るとどんどん増えてしまうのです。

他にも、温暖化による降雪量(積雪量)の減少によって、多雪地へ進出してきたこと、離農によって耕作放棄地が増えイノシシの好む環境が増加したといったことも指摘されています。

さらに、イノシシ猟を目的とした一部の不届き者による違法な放獣もあるとさえ言われています。

地域によってはイノシシではなく、違法に放獣されたイノブタ(イノシシとブタを交配させた雑種)ばかりというところもあるそうです。

どんどん増えていけば当然被害も増えます。

しかも雑食性のイノシシは様々なものを食べるし被害の種類も多種多様です。

最も代表的な被害は、イモ類、タケノコなどを掘って食い荒らすこと、他にも稲、カボチャ、豆類、トウモロコシなどを好んで食べることが知られています。

あまり食べない葉物野菜などでも、ミミズや昆虫などを掘り返して食べる際に荒らされるケースが多いようです。

花壇とかゴルフ場などの被害もあるし、田んぼの畦を崩されることさえあります。

さらに彼らは体に付いた寄生虫を落とすために頻繁に泥浴びをする習性があります。

これを田んぼの中でやったりすることもあるから大変です。

泥浴びした後は体を木にこすりつけて泥を落とすので、樹木にまで被害が及んでしまいます。

このように様々な被害をもたらすため、被害も大きくなってしまうんですね。

さて、そんなイノシシから田んぼや畑などを守るにはどうすればいいんでしょう?

一つはイノシシを寄せ付けない方法、もう一つはイノシシの数を減らす方法が挙げられます。

これらの具体的な方法については、次回お話ししたいと思います・・・。

雪の上に付いたイノシシの足跡(福島県会津地方で撮影)
雪の上に付いたイノシシの足

イノシシに掘り返された畑(福島県内で撮影)
イノシシに掘り返された畑

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この記事を書いた人

浅尾 勝彦

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