AIによるトレイルカメラの野生動物識別【第5回】識別能力の検証
投稿日:2024年5月10日
運営会社:株式会社 地域環境計画
投稿日 : 2017年07月28日
更新日 : 2024年07月31日
こんにちは「鳥獣被害対策.com」の井上です。
「自動撮影カメラ」という名前は聞いたことがあるけど…
と、思っている方は多いのではないでしょうか。
そんな、疑問をお持ちの方に、自動撮影カメラの基礎から、最新カメラの話までを、シリーズでご紹介します。
第1回目は、フラッシュ・画像保存・防水機能について、お話しします。
ちなみに、『自動撮影カメラ』の名称でよばれることが多いようですが、「センサーカメラ」や「野生生物カメラ」、「トレイルカメラ」と呼ばれることもあります。
まず、この『自動撮影カメラ(トレイルカメラ)』の最大の特徴は、動物の“熱(赤外線)”を感知し、自動で撮影する点にあります。
つまり、自分でシャッターを切らなくても、動物がカメラのセンサー範囲内に入ると、勝手に撮影してくれる、スグレものなのです!
具体的には、“熱”を発生する物体(動物や人)がセンサーの感知範囲内を移動すると、センサーが温度変化を感知して撮影を行うという仕組みです。
主には、野生動物の行動などを把握する目的で使用されることが多いようですね。
なので、ヘビやカエルなど、外部の温度によって体温が変化する変温動物の撮影には向いていません。
目次
自動撮影カメラでは、“静止画撮影”のほか、“動画撮影”もできます。
ちなみに、カメラの機種によってまちまちですが、静止画では連続10枚、動画であれば180秒間撮影できるものもあります。
夜間でも撮影することが可能なので、暗闇で活動する動物の行動を把握することもできます。
しかも、静止画・動画ともに撮影可能です!
もしかしたら、これを読んでいる方は、
様々な疑問が湧いてきますよね。
それでは、まずは「フラッシュ機能」について、簡単に説明します。
自動撮影カメラのフラッシュ機能は、大きく3つに分かれます。
自動撮影カメラ業界では、もっともポピュラーなフラッシュで、静止画・動画ともに撮影することができます。
目に見えない赤外線を照射することで、真っ暗闇での撮影が可能となります。
ただし、この赤外線フラッシュで撮影した場合は、その映像はモノクロになるので、覚えておいてくださいね。
また、赤外線フラッシュは、
の2種類に分かれます。
不可視光線フラッシュ(ノーグロー)は、人や動物の目には見えない波長の赤外線を照射して撮影します。
ただし、撮影された映像をチェックすると、明らかにカメラ目線の動物を撮影することがあります。
人間には、見えない波長ですが、もしかしたら動物には、ほんのりと見えているのかもしれませんね。
可視光線フラッシュ(ローグロー)は、フラッシュ部分がほのかに赤く光る波長を照射して撮影します。
ノーグローよりも明るく照射できる特徴をもっています。
近年、普及しているLEDライトを使用したフラッシュです。
センサーで動物を感知すると、LEDライトが点灯するので、夜間でもカラー撮影することができます。
また、LEDライトは、ストロボフラッシュとは異なり、長時間の点灯も可能なので、カラー動画の撮影も可能です。
ただし、明るい光を出すため、警戒心の強い動物を撮影する場合は、逃げてしまう可能性もあるので注意が必要です。
一般的なカメラに搭載されているストロボフラッシュと同様、一瞬、強い光を出して撮影します。
強い光を放つので、シャッタースピードを速くすることができ、撮影被写体のブレが小さいのが特徴です。
ただし、連続照射をすることができないので、撮影は静止画のみで、動画撮影はできません。
撮影された静止画・動画は、通常のデジタルカメラと同様に、SD/SDHCカードに記録されます。
一般的には32GBを上限とするSDカードを使用することができます。
自動撮影カメラは、乾電池で作動します。
なので、電源のとれない山や森の中で活用でき、野生動物の画像を撮影することができるのです。
乾電池は、
が使用できます。
これらの種類の中では、リチウム電池が最もスタミナがあり、アルカリ電池の2~4倍程度といわれています。
また、アルカリ電池は、温度変化に弱いとされますが、リチウム電池は低温化でも安定した性能を示すので、寒冷地での長期間運用に最適な乾電池とされています。
ニッケル電池(充電池)で充電を繰り返すと、フル充電した電池をセットしても、カメラの電池残量がMAXにならないこともあります。
電池残量が少なくなると、動画の撮影時間が短くなったり、夜間の静止画撮影枚数が少なくなったり、といったことがあるので注意が必要です。
ちなみに、ACアダプタや専用バッテリーが使用できる機種もあります。
一部のカメラを除き、ほとんどのカメラは防水規格のテストを行っていません。
基本的に防水と呼べるほどの性能はありませんが、小雨程度の露が表面に付着しても問題のない程度の耐水性は備えています。
ちなみに、防水対策としては、カメラの上部に“屋根”を取り付けて、直接、雨が当たるのを防いだり、開閉部分をビニールテープなどで目張りするなどの方法があります。
ただし、ビニールテープなどで固定する場合は、水の流れを意識し、逆にビニールテープがあることによって水が溜まることがないように注意する必要があります。
以上、今回はざっくりとした自動撮影カメラの機能について説明しました。
次回は、もう少し専門的な、センサーの機能などについてご紹介したいと思います。
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