NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』でイノシシ狩りシーン撮影のお手伝いをしました
投稿日 : 2017年06月05日
更新日 : 2024年07月31日
こんにちは「鳥獣被害対策.com」の井上です。
今年の2月に、NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』の“収録協力”として、渋谷のNHK放送センターに行ってきました。
なぜ、収録に呼ばれたのか?
それは、イノシシ猟シーンの撮影のためです。
撮影シーンの内容は、事前にいただいていた台本によると、イノシシ猟に出かけた輩たちが、森の中でイノシシの痕跡となる、 樹木に残った体の“こすり跡”を発見し、捕獲の方法について議論するというもの。
この“こすり跡”の再現精度を高めるために、鳥獣被害対策.comが呼ばれました!
ちなみに、スタッフの方からご連絡を頂いたきっかけは、この“ブログ”です。
ブログは開設当初から、イノシシの生態をはじめ、防護、捕獲などに関する情報を多く配信しており、 これらの情報が助監督の目に留まったとのことでした。
見ていてくれてありがとうございます!
撮影当日、スタジオ入口の厳重なチェックを受け、撮影現場の手前に設置された控えスペースに通され、出番を待っていると・・・。
意外なほどにラフな格好でスタジオ入りしてくる俳優さんに紛れて、撮影中の柴咲コウさんが目の前を通り過ぎたり、また知らぬ間に、隣の席では和尚役の小林薫さんが撮影モニターを凝視していたりと、
これまではブラウン管の中でしか見たことが無いような出来事が眼前にあるのは、ちょっと不思議な感覚でした。
一種独特なスタジオの空気に飲込まれそうになりましたが、私たちの役目は、イノシシが木に残した“こすり跡”を、どれだけリアルに再現できるかという1点のみです。
控えスペースから撮影スタジオに入り、まずは助監督と美術さんとの打合せです。
イノシシのこすり跡は、このスギの樹皮に付けるようです
どのルートでイノシシが移動するか、そうするとどの位置に“こすり跡”が残るか、引きのアングルで確認・・・
助監督さんと細部をチェック、美術さんもこすり跡の高さをチェックしています
そこで、すかさず当社・宮畑(←前・鳥獣被害対策.comの管理者)のザックから驚く“モノ”が取り出されました・・・!
それは・・・イノシシの足です(ひざ下・蹄付き)。
足跡をリアルに再現するため、持参したとのこと!
収録にかける気合の入り方が違います。
(ちなみにザックには、シカの足もありました)。
右手に持っているものは、イノシシの足・・・蹄についてしっかりと解説中
助監督さんもイノシシの足を触って確認
ここからは、真剣勝負!
助監督さん・美術さん・宮畑の、三つ巴のガチ議論です。
イノシシのこすり跡は、地上50~60㎝くらいが良いとか、イノシシは足が短いから腹側に付いている泥が下草にも付着するとか・・・
はたまた、足跡を付けようにも、スタジオの土が薄いのでうまく残らず、助監督さんから美術さんに土をもっと盛ってくれ!とか、一方で美術さんからは難しいわ・・・とかとか・・・
美術さんがスギの樹皮に泥を塗ります・・・
宮畑が入念にチェック・・・
ちょっと手を入れてみたり・・・
最後は足跡をしっかり残して・・・
さらに、こすり跡に残る“イノシシの体毛”について、助監督さんは演出のために毛の束を残しておきたいという希望に対し、宮畑は「それは不自然、木の幹に引っ掛かって、1~2本の毛が残っているのが自然」とか・・・
そんなこんなで、19時にスタジオ入りして、撮影本番となったのは22時くらい。
イノシシ猟のリーダー役の俳優さんの渾身の演技で、我々の使命は完遂しました!
実際の放送を見ると、イノシシ狩りに出かけるシーンは20秒と短く、フィールドサインとしては、こすり跡よりも、そこに残った体毛の方がクローズアップされていますが、スギには確かに泥が乾燥して灰色となった“こすり跡”が残っています。
長々と説明してしまいましたが、今回の撮影シーンは、助監督さんをはじめ、制作に携わる方々の熱意が伝わるリアルな映像になっています!
ちなみに、撮影現場は渋谷のスタジオ内ですが、ご覧のとおり、超リアルに森が再現されています。
イノシシのこすり跡は、奥のスギに付けたのですが、これも当然ながら擬木です。
とても室内で撮影した写真だとは思えません。
美術さんの技術、スバラしい!
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https://www.choujuhigai.com/fs/chiikan/c/description-wildboar
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