投稿日:2017年11月6日
シカ肉~捕獲から解体まで
投稿日 : 2012年08月30日
更新日 : 2024年03月19日
こんにちは「鳥獣被害対策.com」の宮畑です。
今日の鳥獣害対策の知恵袋は、シカ肉についてのお話しです。
2011年度の猟期に秩父地方の鹿猟グループに混ぜてもらう機会があり、何度も秩父へ通っていました。
鹿猟の狩猟スタイルは一般的な巻き狩りで、シカが潜んでいると想定される谷などを囲うように、「立つ」を張り勢子が猟犬とともにシカを追い詰めていき、シカが現れたら「立つ」の射手が仕留めるというものです。
鹿猟で捕れた獲物はみんなで分けるのですが、1回に数頭が捕れることもあり、一人分の分け前も、結構な量になることがあります。
一時期は市販の肉類を購入することなく、肉料理=シカ肉料理でした。
左から背ロース、モモ、バラその他
シカやイノシシの肉は獣臭くて食べられない、という人もいますが、適切に処理した肉であれば、そんなことはありません。
とはいえ捕獲時期や雌雄で臭みが変わり、特に繁殖期の雄個体などは獣臭が強くなるのは否めません。
それでも臭くて食べられないレベルでは決してありません。
臭みも少なく、良質の肉を手に入れるためには、
- 狙撃もしくは止め刺し後すぐに首の付け根近くの頸動脈を切断し、頭部を低くして放血
- 一時間以内に内臓摘出
- 2~3時間流水にさらし、血抜きと低温処理
- 皮剥
- 解体
の手順を踏むことができれば理想的です。
しかし、一般的には、猟場の状況や解体施設がないなど、理想的な解体手順を踏むことはかなり困難です。
十分な血抜きができていない状態で解体し、切り分けて持ち帰ることもしばしばですが、持ち帰った肉をブロックごと一晩吊したり、バケツ等に入れ水道水を流しながら数時間つけ置く、といった処理をすることで、ある程度の血抜きと臭み取りをすることができます。
なお、どんな処理をしたとしても、全くの無臭にすることはできません。
牛肉には牛の、豚肉には豚の、マトンには羊のそれぞれの獣臭があります。
ようは食べ慣れているかいないかの違いだけのような気がします。
シカ肉についていえば、乳臭いような独特の臭いがあります。
雌シカはそれほど強くはありませんが、雄は雌に比べて臭いが強い傾向があります。
ただし、生後1~2年の若い個体であれば、雄でも臭いは弱いようです。
シカ肉を今までいろいろな料理にして50人以上に食べさせていますが、臭くて食べられない!という反応はなく、ほぼみんなが美味しい!という反応でした。
モモ肉は赤身主体です。
そのうちの数人は相当気に入ったらしく、ヘルシーで豚肉や牛肉よりよっぽどいい、もっとくれ!といっておねだりされたりします。
シカ肉の臭いの強さは、マトンやラム肉が食べられる人なら、まず気にならないレベル、といえます。
次回は、いといろなシカ肉料理を紹介します。
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