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シカ肉~捕獲から解体まで

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こんにちは「鳥獣被害対策.com」の宮畑です。

今日の鳥獣害対策の知恵袋は、シカ肉についてのお話しです。

2011年度の猟期に秩父地方の鹿猟グループに混ぜてもらう機会があり、何度も秩父へ通っていました。

鹿猟の狩猟スタイルは一般的な巻き狩りで、シカが潜んでいると想定される谷などを囲うように、「立つ」を張り勢子が猟犬とともにシカを追い詰めていき、シカが現れたら「立つ」の射手が仕留めるというものです。

鹿猟で捕れた獲物はみんなで分けるのですが、1回に数頭が捕れることもあり、一人分の分け前も、結構な量になることがあります。

一時期は市販の肉類を購入することなく、肉料理=シカ肉料理でした。

シカ肉料理_01

左から背ロース、モモ、バラその他

シカやイノシシの肉は獣臭くて食べられない、という人もいますが、適切に処理した肉であれば、そんなことはありません。

とはいえ捕獲時期や雌雄で臭みが変わり、特に繁殖期の雄個体などは獣臭が強くなるのは否めません。

それでも臭くて食べられないレベルでは決してありません。

臭みも少なく、良質の肉を手に入れるためには、

  1. 狙撃もしくは止め刺し後すぐに首の付け根近くの頸動脈を切断し、頭部を低くして放血
  2. 一時間以内に内臓摘出
  3. 2~3時間流水にさらし、血抜きと低温処理
  4. 皮剥
  5. 解体

の手順を踏むことができれば理想的です。

しかし、一般的には、猟場の状況や解体施設がないなど、理想的な解体手順を踏むことはかなり困難です。

十分な血抜きができていない状態で解体し、切り分けて持ち帰ることもしばしばですが、持ち帰った肉をブロックごと一晩吊したりバケツ等に入れ水道水を流しながら数時間つけ置く、といった処理をすることで、ある程度の血抜きと臭み取りをすることができます。

なお、どんな処理をしたとしても、全くの無臭にすることはできません。

牛肉には牛の、豚肉には豚の、マトンには羊のそれぞれの獣臭があります。

ようは食べ慣れているかいないかの違いだけのような気がします。

シカ肉についていえば、乳臭いような独特の臭いがあります。

雌シカはそれほど強くはありませんが、雄は雌に比べて臭いが強い傾向があります。

ただし、生後1~2年の若い個体であれば、雄でも臭いは弱いようです。

シカ肉を今までいろいろな料理にして50人以上に食べさせていますが、臭くて食べられない!という反応はなく、ほぼみんなが美味しい!という反応でした。

シカ肉料理_2

モモ肉は赤身主体です。

そのうちの数人は相当気に入ったらしく、ヘルシーで豚肉や牛肉よりよっぽどいい、もっとくれ!といっておねだりされたりします。

シカ肉の臭いの強さは、マトンやラム肉が食べられる人なら、まず気にならないレベル、といえます。

次回は、いといろなシカ肉料理を紹介します。

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この記事を書いた人

宮畑 貴之

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