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獣害対策:電気柵へのギモン回答と適切な張り方

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こんにちは「鳥獣被害対策.com」の小野です。

本日は、前回お話した電気柵についてのギモンにお答えします。

★前回のブログ
「ミニ番兵」は手軽に設置できる電気柵です⇒
https://www.choujuhigai.com/blog02/archives/2197

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1)「電気柵は本当に獣に効くの?」

獣害対策である電気柵は、ネット柵、金網柵と違い、軽い電気を獣の体に通電させることでショックを与え、 畑に近づかないようにさせる、「心理柵」です。

物理的に入らせないようにする柵ではないため、細い支柱ワイヤーロープが使用されています。

電気柵支柱

皆さんの周りで、畑の周りに獣害対策として電気柵を張ったのに、相変わらず被害が起きた、効かなかった、というお話があるかもしれません。

効かなかった原因について現場で設置の様子を見たり、聞いたりするところ、以下のような例があるようです。

原因1【守りたい田畑のまわりを隙間なく囲えていない】

獣が侵入する山側に柵を張り、農作業がしやすいように谷側は囲っていない、といった様子が見られますが、それでは獣害対策にはなりません

田畑に魅力的な食べ物があると知った獣たちは、食物を得ることに必死です。

山から下りてきた獣は、田畑に柵が張ってあるのを確認すると、柵伝いに移動し侵入できる場所を探します。

谷側が空いていれば、そこから侵入します。

原因1の対策!⇒山側だけでなく、田畑のまわりをきちんと囲うことが重要です!

原因2【設置後しばらく電気を流さず数日後から通電を始める】

獣が田畑を狙う時期の前、事前に電気柵を張り終え、数日後に電気を流す方もいらっしゃいます。

周囲に住み、田畑を狙う獣は、新しく張られた柵に興味を持ち鼻先で少し触れて確認します。

その時電気が流れていなければ、無害なものと認識します。

一度無害なものと認識すれば、もう鼻先で調べることはせず、 頭や背を押し付け、ゆうゆうと突破することがあります。
(剛毛の生えた頭や背には、ほとんど通電しません)

原因2の対策!⇒設置後は初日から通電を開始し、畑に人がいない、獣がやってくる時間帯は常に通電をしましょう

原因3【対象動物に合った段数、高さで設置がなされていない】

田畑にやってくる動物に合わせて、段数や高さを変える必要があります。

写真の製品はイノシシ用の高さ、地面から20cm、40cmで設定しています。

電気柵

他の動物では、

タヌキ、アライグマ、ハクビシンなどの中型獣は
地面から10cm、15cm、15cm、15cmの4段

シカは
地面から20cm、30cm、30cm、40cmの4段

クマは
30cm、30cmの2段でおすすめしています。

※ブログ執筆時での情報です。

それぞれの動物の体の大きさや顔の高さが異なるため、このように獣によって段数と高さが異なります。

原因3の対策!⇒田畑への侵入を防ぎたい獣に合わせて、ワイヤーロープの段数、高さを適切に調整しましょう

現在、鳥獣被害対策.comではイノシシ用、クマ用のワイヤーロープ2段の電気柵セットがあります。

ほかにも、段数の追加セットやその他資材を組み合わせて、さまざまな獣に対応する電気柵の販売が可能です。

詳細はお気軽にお問合せください。

次回は

  • 「人が触って危なくないの?」
  • 「他の柵に比べて手入れが大変なのでは?」

のギモンにお答えします!

次回ブログ
「獣害対策:電気柵へのギモン回答、維持管理について」⇒
https://www.choujuhigai.com/blog02/archives/2297
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★電気柵はコチラから⇒
https://www.choujuhigai.com/fs/chiikan/c/electric-fence

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この記事を書いた人

小野 晋

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