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AIによるトレイルカメラの野生動物識別【第2回】AviUtlを用いた学習用画像の選択

AIによるトレイルカメラの野生動物識別【第2回】AviUtlを用いた学習用画像の選択

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こんにちは、(株)地域環境計画の印部です。

前回はYOLOを使った野生動物の識別について、事前に準備するPC環境や、AIに学習させる画像の集め方について書きました。

今回は、弊社がAIの学習用データを収集する目的で設置しているトレイルカメラの動画から、学習用の画像データを作成してみたいと思います。

AviUtlによる連番JPG出力

動画を連番でJPG出力するにはAviUtlのプラグインである「連番JPG出力」を使っていきます(導入方法などはネット等で検索して下さい)。

今回、使用するアライグマの動画サンプルの詳細は以下のとおりです。

  • ファイル名:アライグマ.MOV
  • 長   さ:10秒
  • フレーム幅:1920
  • フレーム高:1080
  • フレーム率:30フレーム/秒
動画:トレイルカメラで撮影したアライグマ

作成した画像は後の「アノテーション作業」に使うことが目的なので、画像サイズが大きいまま静止画に変換するメリットはあるのですが、アライグマの分布拡大調査のような例では、コストパフォーマンスの高いカメラを広範囲に設置し、なるべく画像サイズを抑えて長期録画したいので、学習に使う画像も最初から低解像度のVGA(640×480)で準備したいと思います。また、VGAで画像を準備しておけば、画像分類(Classification)モデルの学習データとしても転用可能でしょう。

画像:VGA(640×480)で「連番JPG出力」を開始

「連番JPG出力」を開始すると、保存先として指定したフォルダに次々と連番が付与された画像が出力されます。フレーム率が30フレーム/秒で、動画の長さが10秒間なので、合計300枚の画像が作成されます。

画像:連番が付与された画像が出力

学習に使う画像を選択する

野生動物は種によってカメラの前での動き方が異なります。アライグマは10秒間の動画を撮影すると、ゆっくり同じスピードで移動している場合が多いですが、ウサギだと同じ姿勢でずっと草を食べていたかと思うと、一瞬で飛び跳ねて、カメラの画角から消えてしまうので、300枚のうち、どの画像を選択するかは人間の目のチェックが最終的に必要です。

今回の動画の場合は、アライグマがほぼ一定の速度で動いていたので、1秒間隔(30フーム間隔)で画像を抜き出してみました(プログラムで処理しています)。

画像:動画から10枚の学習用画像を作成

これで10秒の「アライグマ.MOV」動画から10枚の学習用画像を作成することができました。アライグマの姿勢をみると、どれも違っていて、学習用画像としては良い感じではないでしょうか。もちろん、同じ動画からの切り出し画像なので、カメラの設置位置や角度、写っているアライグマも同一個体ですが、この撮影場所を長期モニタリング地点として使うのであれば、汎用性は低いものの、短期間でこの撮影地点に特化したAIモデルを作成するための画像が手に入ります。

次回は、画像データに情報を付与するプロセスである「アノテーション」と呼ばれるAIの教師データを作る作業に入っていきたいと思います。

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この記事を書いた人

印部 善弘

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