【ぶどう園の獣害対策】実践的な方法とおすすめ商品(ハクビシン対策の事例も紹介)
投稿日:2023年11月15日
運営会社:株式会社 地域環境計画
投稿日 : 2019年06月11日
更新日 : 2024年04月22日
はじめまして、「鳥獣被害対策.comネットワーク」の沖です。
普段は(千葉県)館山市の“地域おこし協力隊”として、獣害対策支援に携わっています。
ご縁あって、当ブログに寄稿させていただけることになりました。
さて、今日の鳥獣害対策の知恵袋は、『トレイルカメラを使用して、効果的な対策を行う考え方』をお伝えします。
トレイルカメラ(自動撮影カメラ)の仕組みなどについては過去のブログをご覧ください。
入門:自動撮影カメラ(トレイルカメラ)って、どんなカメラ?~フラッシュ・電源・画像保存・防水機能について~
入門②:自動撮影カメラ(トレイルカメラ)って、どんなカメラ?~カメラ性能について~
獣害対策では、加害鳥獣が「何なのか?」を判断する際に、トレイルカメラを利用することが多いと思います。
これはもう、一般的な知見となっていますよね。
そのため、今回はさらに一歩踏み込んで、イノシシなどの加害獣の「人慣れ具合」を判断するためのトレイルカメラの使い方を考えます。
人慣れ具合を判断する際には、
が重要です。
さらに、動物の動きを観察したいので、動画が撮影できるカメラが必須です。
そこで・・・最後に悩むのが、
どちらが適しているのか?ということです。
実は・・・イノシシなどに対する、人慣れ具合を判断する際は、“ローグロウライト”が適していると考えています。
ローグロウライトは、撮影時に光るLED(赤外線フラッシュ)の明かりが目に見えるために、対象動物の人慣れの具合で、その行動が変わります。
例えば、千葉県の館山市で撮影したイノシシでは、下記のような映像が撮れました。
※撮影モードは動画ですが、ここではわかりやすいように、静止画としています。
トレイルカメラを設置して、4日後にイノシシが写りました。
●撮影機材(ローグロウライト機種)
Bushnell ブッシュネル トロフィーカムXLT 24MPローグロウ(※販売終了)
※トリガースピード0.2秒、リカバリータイム2~3秒(リカバリータイムは当社検証データ )、取り逃しを極力少なくしたトレイルカメラ
画面の右側が林縁で、今まさに林から開けている場所へ出ようとしている状況です。
視界の右端にカメラの明かりを捉えて、足を止めます。
足を止めた状態で、首を伸ばして林外の様子を確認しています。
かなり警戒している状態なのが分かります。
そして、ついには元来た道へ急いで逃げて行ってしまいました。
この間、およそ4秒。
かなり警戒していたことが伺えますよね。
この後、次にイノシシが撮影されるまでは1ヵ月以上もの期間がありました。
このように、トレイルカメラでは動画撮影により、詳細に動物の行動を見ることができます。
そしてトレイルカメラの存在を「あえて見せる」ことで、「人慣れ具合」が判断できます。
例えば、今回撮影した場所では、イノシシの警戒心がかなり強い場所という判断ができます。
そのため、捕獲の対策をする場合は、箱わな(餌でおびき寄せる)ではなく、くくり罠(気付かれないように設置)に切り替えるなどの対策の組み立てが考えやすくなります。
私は仕事上、捕獲に関するアドバイスを行うことがあり、その際に「何故その対策を行う判断をしたのか?」ということを問われることがあります。
こういった場合、トレイルカメラの映像を共有し「人慣れ具合」を判断した上で、効果的な対策を提案するようにしています。
トレイルカメラで得られた情報をみんなで共有することで、共通認識も広がり、根拠のある説明ができるので、納得していただける可能性も高まります。
また、ノーグローライトを使用することで得られる効果として「暗闇での撮影性能」が挙げられます。
例えば以下の画像をみてください。
中心部には何も写っていません。
「良く見ると」画面の右上に黒い固まりがあります。
わかりますか?
実は、長い尾が特徴的な“ハクビシン”が確認できます。
トレイルカメラは、一般的に人や動物の目には見えない波長の赤外線を照射して撮影する「ノーグローライト」を使用することが多いのが現状です。
しかし、より鮮明に撮影したい場合には、ノーグローライトよりも明るく照射することができる「ローグローライト」の活用も効果的です。
●撮影機材 (ローグロウライト機種)
Bushnell ブッシュネル トロフィーカムXLT 24MPローグロウ(※販売終了)
※トリガースピード0.2秒、リカバリータイム2~3秒(リカバリータイムは当社検証データ )、取り逃しを極力少なくしたトレイルカメラ
以上のように「あえてトレイルカメラを認識させて、人慣れ具合を判断する」方法は、獣害対策を組み立てる上で重要な情報となります。
逆に、気付かれたくない場合はノーグロウライトのものを使用することも一つの方法です。
目的に応じて使い分けて、対策に役立てましょう!
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