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なぜ、イノシシ対策の電気柵が効かないのか? ~電気柵の設置直後の行動を見直すことで解決できます~

なぜ、イノシシ対策の電気柵が効かないのか? ~電気柵の設置直後の行動を見直すことで解決できます~

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こんにちは、鳥獣被害対策ドットコムの井上です。

知恵袋情報などで、「イノシシ」の被害や対策などに関する情報を観ていると、意外に多いのが「電気柵を導入したが効果がなかった・・・」という意見をよくみます。

インターネットやホームセンター、行政の方などから、「イノシシ対策には“電気柵”が効果ありますよ」と言われて購入したのに、なぜ、効果が十分に発揮できなかったのでしょうか?

イノシシ電気柵が効かない? 電気柵は「心理柵」

もしかしたら、電気柵の『設置直後』の行動を見直すことで、解決できる場合があります。

電気柵は、ワイヤーメッシュ柵や金属柵といった物理的に侵入を防止する「物理柵」とは違い、イノシシなどの加害獣に心理的なダメージを与える『心理柵』です。

皆さんは、心理柵ってナニ??と、思われるかもしれませんが、電気柵は電気の流れる『ヒモ』を獣の体に触れさせて電気ショックを与えます。
イノシシに、この『ヒモ(※)』は怖いものだ!と覚え込ませ、耕作地に近寄らせないようにするのが電気柵なのです。
(※正確には、“ワイヤー”や“柵線”と呼ばれます)

つまり、電気柵は、頭が良く、学習能力の高い、イノシシの特性を逆手にとった対策用品ということですね。

電気柵の効果がない原因と対策

ちょっと前振りが長くなりましたが、なぜ電気柵がイノシシに効かなかったのか?

その原因の1つには、電気柵の“設置直後の行動”に問題があるのかもしれません。

電気柵の鉄則は、『設置したら“直後に通電”、通電は“24時間”』です。

電気柵はご覧のとおり、頑丈とは言い難い構造をしています。

イノシシ対策用電気柵
画像:イノシシ対策用電気柵

電気柵は設置したらすぐに通電する

もし、電気柵の設置が完了し、柵線に電気を流さなかったら?

それは、よもや、凶暴なイノシシの侵入を防ぐ防護策とは程遠い、細い柱と数本の単なる細い“ヒモ”となってしまいます。

イノシシは、とても警戒心が強い生きものなので、今までに見たことがない、『新しいモノ(=ヒモ)』を見つけると、まず鼻を使って、その新しいモノが安全なのか、危険なのか、を確かめようとします。

その時に、細い”ヒモ”に電気が流れていたら・・・

そう!イノシシは、ビリビリっと感電します。
つまり、イノシシは「これは危険だから、もう二度と触れるのはやめよう・・・」と、決心しますよね。

逆に、電気が流れていなかったら…

それは、恐れるに足らない単なる細い“ヒモ”です。
プロレスリングのリングロープのように、出入りが自由な・・・。

ちなみに・・・イノシシは硬い体毛で全身が覆われていますよね。
この硬い獣毛は、感電しても電気をほとんど通さないとされています。

イノシシの体毛
画像:イノシシの体毛

つまり、電気柵は設置した直後に、イノシシが「これ(電気柵の“ヒモ”)は何だろう?」と警戒し、鼻を使って確認する時に、電気が流れていることが重要なのです!!

イノシシの鼻
画像:イノシシの鼻

なので、『電気柵を設置したら、すぐに通電』させておく必要性があるのです。

電気柵は24時間稼働する

また、電気柵の機種によっては、日中は電気を流さない「デイオフ」機能がついているタイプもあります。

もしかして、「日中は人通りも多いし、昼間にイノシシを見かけたことが無いから、大丈夫かな」と思いつつ・・・「デイオフ」機能を使用したらどのようなことが起きるか?

最大の危険は、「日の出」や「日の入り」の薄暗い頃に訪れます。

デイオフ機能は、電気柵の本器に内蔵されているセンサーと連動しています。

そのため、「日の出」・「日の入り」の明るさの頃は、電気柵に電気が流れていない微妙な時間帯も発生します。

もし、そこにイノシシが来たら・・・。

そう、そこには単なる“ヒモ”がある、ということになってしまいます!

なので、電気柵は『設置したら24時間』稼働が重要なのです!

農閑期の電気柵の扱いについて

ちなみに、農閑期でも、電気柵の柵線を残したままにしておくのであれば、通電させた状態を維持して下さい。

もし、農閑期は通電したくない、という場合は、面倒でも柵線を回収し、また翌年、電気柵を使用する際に張り直すようにしてください。

皆さん、くれぐれも、イノシシには、電気柵の柵線を単なる“ヒモ”だと思われないようにして下さいね!

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この記事を書いた人

井上 剛

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