「トレイルカメラを設置したらイノシシに壊された!?」3つの原因と3つの対策
投稿日:2021年4月12日
運営会社:株式会社 地域環境計画
投稿日 : 2016年06月14日
更新日 : 2024年03月25日
こんにちは、鳥獣被害対策ドットコムの井上です。
今日のイノシシ対策の知恵袋は、赤い光でイノシシを追い払うことができるか?についてです。
赤い光を発光するのは、センサーカメラ(自動撮影カメラ)です。なので、それほど大きな光量ではありません。
目次
まず、前置きとしてセンサーカメラ(自動撮影カメラ)についてですが、
の4種類があります。
赤外線ライトは、通常、動物(人間を含む)には見ることができない波長なのですが、トレイルカメラの場合、上記2の通り、ライトの発光時に、LEDランプがほのかに赤く発光するタイプ(ローグロータイプ)もあり、この赤い灯りは人間でも確認することができます。
そして、これからが今回の本題です。
先日、野生鳥獣の調査をしていると、このセンサーカメラ(自動撮影カメラ)の赤い灯りで、イノシシが逃げていく様子を観察することができました。
光量はそれほど大きくないのですが、赤い灯りに気付いたイノシシは、スッと身を返し、わずか2秒でフレームアウト!
そこで、考え付きました!
赤外線(ローグロー)タイプのセンサーカメラ(自動撮影カメラ)の赤い灯りで、イノシシを追い払うことができるのでは!?
早速検証です。
実験場所は、某山中の林道。
林道はあまり活用されていないため、荒れ果てた状況で、地面にはたくさんのクリが落ちていました。
イノシシが頻繁にクリを食べに来ている様子が目に見えるような、そんな場所です。
センサーカメラ(自動撮影カメラ)を道の真ん中に横たわる倒木に設置し、動画撮影を試みました。
~イノシシがやってきました~
動画:実験開始1日目(19時07分)
灯りに気づき、すぐに引き返すように逃げていきました。追い払い成功の予感です。
~先ほどから数時間~
動画:実験開始1日目(23時47分)
イノシシは、カメラを気にしつつ、クリの実に近づいてきました。が、最後にはあきらめ、走り去っていきました。
~だんだん、チキンレースを見ているような感じに…不安だ…~
動画:実験開始2日目(20時15分)
灯りを気にしていますが、イノシシはクリの実にどんどん近づいていきます。
あ~ぁ、そんなに近寄らないで!!
~ついに…その時は訪れました~
動画:実験開始2日目(4時29分)
美味しそうに食べてます…しかも、カメラ目線で!!なんとも、太々しい…
~昨日はたまたま?もしかしたら赤い灯りは効くかも~
動画:実験開始3日目(23時11分)
期待はあっさり覆されました。。
もう、イノシシは、カメラに目もくれようともしません。すっかり慣れてしまったのか。。
結論としては、『やっぱり』という感じなのですが、センサーカメラ(自動撮影カメラ)程度の光量による追い払いは、「最初は効果的だが、動物はすぐに慣れてしまい、効果がなくなる」ということを、改めて表してくれました。
動物除けの忌避剤なども、設置の工夫やメンテナンスしっかりとしないと、効果は「最初だけ」で、長期間の期待はできないのと一緒ですね。
センサーカメラ(自動撮影カメラ)では、“カメラ目線”の動物がよく撮影されます。
動物たちにも個性があり、すぐに慣れてしまうもの、なかなかに臆病なもの、それぞれによって反応は様々です。
しかし、最初は気にしたとしても、今回の実験のように、すぐに慣れてしまい、何事もなかったような行動となってしまうようです。
やっぱり、センサーカメラ(自動撮影カメラ)は、獣害対策を実施するにあたり、効果的な対応策を立てるためのデータを取得したり、また対策の効果検証(モニタリング)をするために活用するのが良いようです。
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