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赤い光でイノシシ撃退なるか!? ~センサーカメラ(自動撮影カメラ)を活用した防除効果の検証~

赤い光でイノシシ撃退なるか!? ~センサーカメラ(自動撮影カメラ)を活用した防除効果の検証~

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こんにちは、鳥獣被害対策ドットコムの井上です。

今日のイノシシ対策の知恵袋は、赤い光でイノシシを追い払うことができるか?についてです。

赤い光を発光するのは、センサーカメラ(自動撮影カメラ)です。なので、それほど大きな光量ではありません。

センサーカメラ(自動撮影カメラ)の種類

まず、前置きとしてセンサーカメラ(自動撮影カメラ)についてですが、

  1. 赤外線ライトを照射するタイプ(ただし発光しないノーグロータイプ)
  2. 赤外線ライトを照射するタイプ(ほんのり赤く発行するローグロータイプ)
  3. 白色LEDライトで照射するタイプ
  4. 一般的なストロボ(白色ストロボ)を発光するタイプ

の4種類があります。

赤外線ライトは、通常、動物(人間を含む)には見ることができない波長なのですが、トレイルカメラの場合、上記2の通り、ライトの発光時に、LEDランプがほのかに赤く発光するタイプ(ローグロータイプ)もあり、この赤い灯りは人間でも確認することができます。

【イノシシ対策】ライト効果の検証

そして、これからが今回の本題です。

先日、野生鳥獣の調査をしていると、このセンサーカメラ(自動撮影カメラ)の赤い灯りで、イノシシが逃げていく様子を観察することができました。

光量はそれほど大きくないのですが、赤い灯りに気付いたイノシシは、スッと身を返し、わずか2秒でフレームアウト!

そこで、考え付きました!

赤外線(ローグロー)タイプのセンサーカメラ(自動撮影カメラ)の赤い灯りで、イノシシを追い払うことができるのでは!?

早速検証です。

実験場所は、某山中の林道。

林道はあまり活用されていないため、荒れ果てた状況で、地面にはたくさんのクリが落ちていました。
イノシシが頻繁にクリを食べに来ている様子が目に見えるような、そんな場所です。

センサーカメラ(自動撮影カメラ)を道の真ん中に横たわる倒木に設置し、動画撮影を試みました。

効果検証①【実験開始1日目(19時07分)】

~イノシシがやってきました~


動画:実験開始1日目(19時07分)

灯りに気づき、すぐに引き返すように逃げていきました。追い払い成功の予感です。

効果検証②【実験開始1日目(23時47分)】

~先ほどから数時間~


動画:実験開始1日目(23時47分)

イノシシは、カメラを気にしつつ、クリの実に近づいてきました。が、最後にはあきらめ、走り去っていきました。

効果検証③【実験開始2日目(20時15分)】

~だんだん、チキンレースを見ているような感じに…不安だ…~


動画:実験開始2日目(20時15分)

灯りを気にしていますが、イノシシはクリの実にどんどん近づいていきます。
あ~ぁ、そんなに近寄らないで!!

効果検証④【実験開始2日目(4時29分)】

~ついに…その時は訪れました~


動画:実験開始2日目(4時29分)

美味しそうに食べてます…しかも、カメラ目線で!!なんとも、太々しい…

効果検証⑤【実験開始3日目(23時11分)】

~昨日はたまたま?もしかしたら赤い灯りは効くかも~


動画:実験開始3日目(23時11分)

期待はあっさり覆されました。。

もう、イノシシは、カメラに目もくれようともしません。すっかり慣れてしまったのか。。

【イノシシ対策】ライト効果の検証:結論

結論としては、『やっぱり』という感じなのですが、センサーカメラ(自動撮影カメラ)程度の光量による追い払いは、「最初は効果的だが、動物はすぐに慣れてしまい、効果がなくなる」ということを、改めて表してくれました。

動物除けの忌避剤なども、設置の工夫やメンテナンスしっかりとしないと、効果は「最初だけ」で、長期間の期待はできないのと一緒ですね。

センサーカメラ(自動撮影カメラ)では、“カメラ目線”の動物がよく撮影されます。

動物たちにも個性があり、すぐに慣れてしまうもの、なかなかに臆病なもの、それぞれによって反応は様々です。

しかし、最初は気にしたとしても、今回の実験のように、すぐに慣れてしまい、何事もなかったような行動となってしまうようです。

やっぱり、センサーカメラ(自動撮影カメラ)は、獣害対策を実施するにあたり、効果的な対応策を立てるためのデータを取得したり、また対策の効果検証(モニタリング)をするために活用するのが良いようです。

トレイルカメラの選び方 完全ガイド


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この記事を書いた人

井上 剛

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