豚熱・アフリカ豚熱の脅威から日本の畜産を守る!獣害対策の重要性と最新動向
投稿日:2024年6月10日
運営会社:株式会社 地域環境計画
投稿日 : 2016年04月18日
更新日 : 2024年04月16日
こんにちは鳥獣被害対策ドットコムの井上です。
今回の鳥獣害対策の知恵袋は「イノシシ被害を防止するために、私たちが実践できること」のお話しです。
イノシシ対策を行うには、まず、相手の本当の姿を知ることが大切です。
そして、相手のすべてを知った上で、自分の田畑に適した被害防止の対策を考えましょう。
今回のお話は、以下のとおり、5つの項目にまとめました。
少し長いですが、最後まで読んでくださいね。
最後まで読めば、イノシシ被害の対策と攻略法が分かります!
目次
イノシシと対峙するには、まずイノシシの形態や食性、繁殖などの特徴をしっかりと把握することが大切です。
また、イノシシは、基本的に臆病な動物ですが、その場所が安全であることを知ってしまうと、行動が大胆になることが知られています。
そのため、相手をしっかりと知った上で、対策を考えましょう!
以下に、イノシシの特徴について書き出しました。まずは相手の特徴を理解しましょう!
なお、詳細な生態的特徴は末尾に整理しましたので、詳しく知りたい方は、ご覧になってください。
イノシシの体高は60~80cmで、藪や茂みに隠れています。体重は、大きなものでは150kgにもなると言われています。
西日本を中心に分布していますが、現在、北陸地方や東北地方への北上が指摘されており、東北地方を中心に北陸地方などでも分布の拡大が懸念されています(下図を参照してください)。
広葉樹林や竹林、耕作放棄地などに生息しています。特に、身を隠すことのできる藪は格好の住処となるので要注意です!
タケノコやドングリ(堅果類)、植物の根や茎、昆虫、両生類、爬虫類などを食べる雑食です。
畑に野菜くずなどを放置すると「エサ場」になってしまい、イノシシを呼び寄せてしまうので危険です!
一般的に、年間に平均4.5頭を出産し、その半数が成獣に成長するとされています。
シカやサルと比較すると、増えやすいという特徴があります(捕獲のみの対策では被害を減らすことは難しいです)。
※基本的な社会(グループ)単位は、子供を連れた雌の母系的グループです。
このほか、単独の成獣雄、生殖に参加しない若齢の雄グループもあります。
動画:イノシシの社会性
人間の居住地の近くでは、夜明けや夕方の薄暗い時間、夜間に行動します。
ただし、危険がないと分かると日中でも活動するようになります!
成獣は1m以上の跳躍力を持ちます。通常、防護柵などの障害物に対しては警戒しながら近づき、安全を確認します。
柵の上を飛び越えるよりも、下をくぐって通り抜けようとする特性があります。
幼獣(ウリボウ)は15cmの格子をくぐり抜けてしまい、成獣も高さ20cm程度の隙間であればくぐり抜けることができます。
鼻を使って土を掘り返し、ミミズや植物の根を食べます。また、鼻で50~60kgのモノを持ち上げることができます。
★イノシシ生態の参考ブログ:猪から田畑を守るために「猪の生態 8つの特徴」を理解しよう!
一度でもイノシシに侵入された田や畑には、イノシシが次々と現れ、被害が拡大してしまいます。
それでは、イノシシからどのように田畑を守ればよいでしょうか?
それはズバリ、ワイヤーメッシュ柵や金属柵、電気柵、ネット柵などの『柵』を設置することが効果的です。
これらの種類の柵は、設置場所、施工(設置)のしやすさ、維持メンテナンスの手間、強度、耐久性などがそれぞれ異なります。
したがって、それぞれの耕作地にあった適切な柵を選ぶことがポイントとなります。
イノシシ被害対策用の「柵」を選ぶ際に重視される4つのポイントを整理しました。
△:施工のしやすさ
◎:維持メンテナンスの手間
○:噛み切りや衝撃に対する強度
○:耐久性
△:施工のしやすさ
◎:維持メンテナンスの手間
◎:噛み切りや衝撃に対する強度
◎:耐久性
◎:施工のしやすさ
△:維持メンテナンスの手間
○:噛み切りや衝撃に対する強度(※)
△:耐久性
※:動物は柵をみつけると、まず鼻先などを使って確かめます。電気柵はその際、柵線に触れた動物に電気が流れ、電気ショックで動物を田畑から遠ざける心理柵です。
○:施工のしやすさ
○:維持メンテナンスの手間
△:噛み切りや衝撃に対する強度(※)
△:耐久性
このほか、トタン柵などがあります。
トタン柵は、目隠し効果で畑に近づけないようにします。安価で取り組みやすいですが、やや耐久性に劣ること、傾斜地や複雑な地形では効果が劣ることがあります。
イノシシ対策として、柵を設置しても効果が上がらない場合、柵の選び方やちょっとしたコツがうまくできていないことが原因となっていること多いです。
まずは、下図を参考に、きちんと設置できているか見直してみましょう!
イノシシは柵の下の隙間を探して、田畑に侵入しようとします。
隙間をふさぐことでイノシシは入れなくなります!
猪は柵の外の茂みに隠れて、田畑の中に入る場所をじっくり探します。
茂みがないと不安で、田畑の中に入る場所を探せません(柵効果大!)。
これらのこまめな、点検・管理がイノシシに入られないコツとなります!
イノシシ対策で設置した柵は「一度設置すれば放置していてもずっと猪が防げる!!」残念ながらそんなに都合のよい柵はありません・・・
せっかくイノシシ対策のための柵を設置しても、その後の管理をしなければ、いつイノシ
シに侵入されるかわかりません。
イノシシの侵入を確実に防ぐには、柵の設置後も点検、補修などの維持管理が必要です。
田畑や集落にイノシシが来る原因は、田畑の作物だけではありません!
それ以外の集落内にある「エサ」も原因になります。
安易に生ごみを置いたり、捨てたりしないようにしましょう。
また、放任果樹や稲刈り後に生えたヒコバエは排除してください。
イノシシは警戒心が強い動物です。
こまめに草刈りを実施し、柵のまわりの見通しをよくして、隠れる場所をなくすことが大切です。
田畑の作物以外の食べ物を減らすこと、猪が安心して身を隠せる場所をなくすことで、猪は集落に近づきにくくなります。
まずは、自分の田畑に適した『柵』を選び、設置をしたら、こまめに維持メンテナンスをすること。
また、同時にイノシシを田畑に近づけないために、餌となるような家庭ごみや野菜くず、ヒコバエを除去し、さらにこまめな草刈りを実施してイノシシの隠れ場所を無くすことが大切です。
その他、イノシシ対策として有効な方法は「大切な農地にイノシシを近寄らせない対策とは?」でもご紹介しています。
この記事を書いた人
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