投稿日:2017年5月31日
電気柵でイノシシ対策~事前に知っておきたい、設置のポイント~
投稿日 : 2016年02月22日
更新日 : 2024年04月16日
獣害対策で「電気柵」は、もう既に一般的な防護方法として知られるようになり、その効果を実感されている方も多いと思います。
しかし、使用したことがない方は、「電気柵は本当に獣に効くの?」と思っているのではないでしょうか。
また、電気柵を張っても思うような効果が得られなかった、という方もいるかもしれません。
そこで、今回のテーマは「電気柵でイノシシ対策~事前に知っておきたい、設置のポイント~」と題して、お話をしたいと思います。
目次
電気柵は「心理柵」である
まず、最初に理解しなくてはいけないのが、電気柵は、獣を畑に近づかないようにさせる『心理柵』であるということです。
??心理柵??なんだ??と、思われるかもしれません。
獣害対策である電気柵は、金網柵やネット柵と違い、電気を獣の体に通電させることでショックを与え、田畑に近寄らせないことを目的とします。
つまり、獣たちに、「これに触ると“ビリっと痛いゾ!”」ということを教え込ませるのです。
(構造的にはこんな感じです↓↓↓)
みなさんは、誤って家庭用電源のコンセントに触れて感電してしまった経験はないでしょうか?
実は私、過去に家庭用電源を誤って触ってしまったことがあり…30年を経過しても、未だにトラウマです…心理的に効いています…
電気に触れることの恐怖を、心理的に訴える柵なので、『心理柵』なのです!
ちなみに、物理的に田畑に侵入させないワイヤーメッシュ柵などとは異なり、電気柵は細い支柱と細いワイヤーロープを使用します。
だから、設置も比較的簡単に済ませることができます。
皆さんのお知り合いのなかには、「田畑の周囲にイノシシ対策として電気柵を張ったのに、被害が減らなかった…」という、お話を聞いたことがあるかもしれません。
なぜ?電気柵の効果がなかったのか…
それは、以下に示す『設置のポイント』が、しっかりと守られていなかった可能性があります。
電気柵設置のポイント① 守りたい田畑の周囲を隙間なく、しっかりと囲う!
~ポイント1~
守りたい田畑の周囲を隙間なく、しっかりと囲う!
イノシシが侵入してくるであろう“山側だけ”に柵を張り、一方で、農作業がしやすいように“谷側は囲っていない”、といった様子が希に見受けられます。
しかし、これでは獣害対策にはなりません。
イノシシは、田畑に魅力的な食べ物がある、と知ると、餌を得ることに必死になります。
(彼らも生活がかかっていますからね)
山から降りてきたイノシシは、田畑に柵が張ってあるのを確認すると、柵伝いに移動して、侵入できる場所を探します。
そして、谷側から侵入できることがわかると、そこから侵入します。
侵入経路がわかると、イノシシの学習のなかで、「柵に沿って歩く⇒隙間の先には餌がある」という、構図が出来上がり、何度もやって来てしまいます。
なので、『山側だけでなく、田畑のまわりをきちんと囲う』ことが、とても重要です!
これで完璧!
電気柵設置のポイント② 電気柵を設置したら、その日から“すぐに・24時間通電”を始める!
~ポイント2~
電気柵を設置したら、その日から“すぐに・24時間通電”を始める!
田畑の収穫前に、しっかりと電気柵を設置したにも関わらず、収穫までは期日があるので、通電はしばらくしてから…なんでことをした経験はありませんか?
これはイノシシに、電気柵の柵線が「電気の流れない、単なるヒモだよ!」と、教えていることになってしまいます。
田畑を狙うイノシシは、新しく張られた柵に興味を持ち、鼻先で少し触れて確認します。
電気の流れていない、「単なるヒモ」であれば、そのままくぐって通過してしまいます。
一度学習してしまえば、もう鼻先で調べることはしません。
作物が実り、柵に電気を流し始めたのちも、同様に柵をくぐり楽々と突破していくようになります。
固い毛でおおわれたイノシシの背中では、電気はほとんど通りません。そのため、最初に柵を通電させて状態で、電気のよく通る鼻先で電気柵を触らせることが重要なのです。
また、電気柵は24時間、通電させておくことが基本です。
イノシシは、夜間に行動することが多いので、『夜行性』と思われがちです。
しかし、イノシシは夜行性ではなく、彼らにとって怖い人間が活動をしない時間帯を選んで活動しています。
そのため、電気柵を夜間の稼働だけとしてしまうと、日中に現れたイノシシが「これは単なるヒモだな」と認識し、夜間も入り込むようになってしまいます。
なので、電気柵は設置したら、すぐに通電を開始し、基本は24時間連続で稼働させるようにしましょう!
電気柵設置のポイント③ イノシシに合った髙さ・段数で柵線を設置する!
~ポイント3~
イノシシに合った髙さ・段数で柵線を設置する!
電気柵は、対象の動物に合わせて、柵線の段数や高さを変える必要があります。
イノシシは、地面から20㎝、40㎝の2段張りが基本です。
なぜ、20㎝と40㎝なのか?
イノシシは、全身が固い毛で覆われているために、通電させるためには、鼻に電柵を当てる必要があります。
そのため、1本目の柵線と地面の間と、1本目と2本目の柵線の間を、イノシシがそのままくぐり抜けをしにくい、20㎝間隔としています。
地面から1段目を20㎝に保ち、漏電しないよう、夏季に草刈りを徹底するのは大変ですが、これらのことをきちんと行うことで、イノシシを防ぐことができます。
ちなみに、シカやクマといった大型獣のほか、タヌキ、アライグマ、ハクビシンなどの中型獣についても、適切な段数・髙さがあるので、以下のサイトをご覧ください。
田畑への侵入を防ぎたい獣に合わせて、柵線の『段数』・『高さ』をきちんと調整することで、効果的な獣害対策が可能となります。
鳥獣被害対策ドットコムでは、イノシシ用のほか、シカ用、クマ用、アライグマ等の中型哺乳類用、それぞれの電気柵をご用意しています。
ぜひ、一度電気柵を試してみてください!
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