【豚熱(CSF)/イノシシ対策】効果的な防護柵の選び方と設置方法とは?(※旧:豚コレラ)
投稿日:2019年4月2日
運営会社:株式会社 地域環境計画
投稿日 : 2024年06月10日
目次
参考:山陽新聞(さんデジ)「福山で野生イノシシ1頭から豚熱 広島県発表、市内では初確認」
参考:山陽新聞(さんデジ)「福山で野生イノシシ1頭から豚熱 広島県発表、市内では初確認」
広島県福山市で捕獲された野生イノシシ1頭が豚熱に感染していたことが確認されました。
これは県内で38例目の確認例であり、福山市内での感染確認は初めてで、感染イノシシは3月3日に捕獲され、3月8日に遺伝子検査で陽性が確認されました。
感染確認地点から半径3km以内には愛玩豚を飼養する1戸、3~10km以内には豚飼養農場2戸と愛玩豚飼養2戸があり、これらに対して注意喚起が行われました。
県は今後の対策として、飼養豚の異常があった場合の早期通報の徹底、飼養衛生管理基準の遵守、野生イノシシの捕獲及び豚熱検査の継続、豚への補強及び追加の豚熱ワクチン接種の実施を宣言しました。
豚熱は人に感染しない病気であり、感染した豚の肉を食べても人体に影響はありませんが、
野生イノシシの糞によるウイルス汚染とその拡散のリスクがあるため、登山者などには靴底の土を落とす等の協力を呼びかけています。
参考:NHK 秋田 NEWS WEB「北秋田市で捕獲の野生イノシシ2頭が豚熱に感染 消毒徹底を」
北秋田市で野生のイノシシ2頭が豚熱に感染していることが確認されました。
これは去年12月以来、県内で確認された豚熱のケースで、今回の2例を含めて合計11例になります。
感染したイノシシは先月29日と今月2日に捕獲され、遺伝子検査により13日に感染が確認されました。
県は養豚場に対して、消毒を徹底するよう呼びかけています。
豚熱は人には感染せず、食べても人体に影響はない病気で、県内で飼育されているブタはすべてワクチンを接種済みとのことです。
県畜産振興課は、養豚場の衛生管理徹底とともに、県民に山菜採りなどで山に入る際の靴底の泥落とし等、ウイルス拡散防止への協力を呼びかけています。
参考:農林水産省「国内における豚熱の発生状況について」
参考:農畜産業振興機構「豚熱発生から5年を迎えて」
上記、福山市と北秋田市のニュース、国内の発生状況から見ても、依然として国内における豚熱への対策が求められています。
では、私たち獣害対策に関わる者として豚熱に対し、どのように考えればよいのでしょうか。
野生動物管理、獣害対策の観点から豚熱対策のポイントを挙げると以下の通りです。
日本国内で豚熱が本州と四国の34都府県にまん延し、野生イノシシが重要な感染源となっていることが確認されています。
これにより、獣害対策の枠組み内での野生イノシシ管理がより複雑な課題となっています。
野生イノシシから養豚場への豚熱ウイルスの伝播が確認されており、違法に持ち込まれた畜産物の摂取や、人や作業器具を介したウイルスの農場内への侵入が原因とされています。
この事実は、野生動物の管理と獣害対策において衛生管理の重要性を浮き彫りにしています。
感染が確認されている地域においては、衛生対策だけでは不十分であり、捕獲強化による個体数削減や経口ワクチン散布による免疫付与などの対策が実施されています。
これらの対策は野生イノシシの管理と獣害対策において重要な役割を果たします。
野生イノシシの生息数や感染状況を把握し、継続的に対策を行う必要があること、さらには畜産関係者、狩猟関係者、一般の人々の協力が不可欠であることが強調されています。
これは、獣害対策を含む野生イノシシ管理戦略の成功において、幅広いステークホルダー(利害関係者)の参加と支持が必要であることを示唆しています。
豚熱対策の経験は、将来的にアフリカ豚熱(ASF)など他の疾病への対策にも応用可能であり、野生動物管理と獣害対策において疾病管理を統合することの重要性を示しています。
これは、野生イノシシの管理と獣害対策を、単なる個体数の管理だけでなく、公衆衛生や畜産業保護の観点からも考慮する必要があることを意味します。
これらのポイントは、野生イノシシの捕獲や管理、獣害対策を行う上で、単に個体数を管理するだけではなく、疾病の伝播を防ぐための包括的なアプローチが必要であることを示しています。
また、畜産業と公衆衛生への影響を最小限に抑えるために、多様なステークホルダー間の協力と長期的な戦略の重要性が強調されています。
さらに、上記で触れているアフリカ豚熱(ASF)についても、現在、予防対策強化が求められています。
参考:毎日新聞「豚の致死率ほぼ100%のアフリカ豚熱 韓国で急拡大、水際は厳戒」
参考:農林水産省「アフリカ豚熱(ASF)について」
韓国、特に釜山でASFが急速に拡大しており、これが日本に近い地域で発生していることが大きな懸念材料となっています。
ASFは感染した豚に対してほぼ100%の致死率を持ち、有効なワクチンが存在しないため、一度感染が拡大すると壊滅的な被害をもたらす可能性があります。
日本ではASFの国内侵入を防ぐために、港や空港での検疫探知犬による荷物検査、消毒用マットの設置、情報提供ボードの設置など、水際での厳戒態勢が敷かれています。
ASFウイルスは人の靴の裏や車両、自転車のタイヤなどに付着して遠方に運ばれる可能性があり、これが野生イノシシを含む動物間だけでなく、国際間での伝播リスクを高めています。
韓国では野生イノシシがASFの感染源となっており、これが釜山周辺で相次いで確認されています。
野生イノシシによる伝播は、病気の管理をさらに複雑にしています。
このように、ASFの拡大は野生イノシシの管理と獣害対策においても重要な考慮事項となります。
日本における厳戒態勢は、国内畜産業への潜在的な脅威を最小限に抑えるため、さらには国際間での疾病の伝播を防ぐために必要な措置であると言えます。
また、野生イノシシが伝播の一環となっていることから、獣害対策としての野生イノシシの捕獲や管理も、疾病管理の一環としての重要性を帯びてきています。
これらを踏まえ、獣害対策に関わる自治体や民間、市民が取り組むべき対応、対策、啓蒙活動は以下のように構築することで、野生イノシシによる豚熱(CSF)やアフリカ豚熱(ASF)の伝播リスクを軽減することができるのではないでしょうか。
疾病に関する最新の情報を自治体、畜産業関係者、一般市民間で迅速に共有し、社会全体での対応を促進する。
ASFなどの疾病は国境を越える問題であるため、国際協力を通じて最新の情報の共有や対策の共同推進を図る。
これらの対策は、豚熱やアフリカ豚熱の伝播リスクを軽減し、日本の畜産業を守り、公衆衛生を保護するために不可欠です。
自治体、民間、市民がそれぞれの立場で協力し、総合的な対策を実施することが重要です。
この記事を書いた人
【豚熱(CSF)/イノシシ対策】効果的な防護柵の選び方と設置方法とは?(※旧:豚コレラ)
投稿日:2019年4月2日
【イノシシ対策用電気柵】効果的な設置方法10のポイントを徹底解説
投稿日:2016年6月6日
イノシシ被害を防止するために実践できることを獣害対策の専門家が解説
投稿日:2016年4月18日
栃木県益子町のイノシシ被害対策の取組(西明寺地区を例として)後編/現地視察
投稿日:2016年3月30日
電気柵の距離は?高さは?選び方が分からない方へ~おすすめの電気柵お教えします!
投稿日:2016年3月16日
栃木県益子町のイノシシ被害対策の取組 前編/西明寺地区2年間の取り組み
投稿日:2016年3月11日
先頭へ