野生動物の専門家によるイノシシ対策のためのブログ。イノシシの防除から捕獲、止め刺し、解体まで、イノシシ被害を防ぐために役立つ情報を発信しています。

ご相談・お問い合わせ

イノシシ対策_侵入を防ぐ【電気柵編】

イノシシ対策_侵入を防ぐ【電気柵編】

記事のタイトルとURLをコピーする

こんにちは「鳥獣被害対策ドットコム」の宮畑です。

本日のイノシシ対策の知恵袋は、イノシシ被害の防除方法にどんなものがあるのか概要をお話しします。

イノシシ被害の防除方法は3つ

イノシシによる農作物被害は春から秋に集中しており、春にはタケノコや麦などの被害が多く、以降は季節に応じ収穫期を迎える豆類や根菜類、葉物などの被害が続きます。

特に秋には水稲を筆頭に、サツマイモ、カボチャなどの被害が多くなります。

そのため、春から秋の収穫期を迎える前にイノシシ対策の準備を始めようと「鳥獣被害対策ドットコム」にイノシシ対策用品の注文やお問い合わせを多くいただきます。

イノシシ被害の対策としては、

  1. 耕作地への侵入を防ぐこと
  2. イノシシを寄せ付けない環境整備をすること
  3. イノシシを捕獲すること

の3つです。

まずは、耕作地への侵入を防ぐ方法についてお話しします。

①耕作地への侵入を防ぐ方法

柵を設置して物理的に耕作地への侵入を防ぐことが一般的です。

柵には大きく分けて

  • 電気柵
  • 金属柵
  • ネット柵

などの種類があります。

イノシシ対策_電気柵
電気柵はコチラ⇒

イノシシ対策_金属柵
金属柵はコチラ⇒

イノシシ対策_ネット柵
ネット柵はコチラ⇒

それぞれの柵にも長所や短所がありますので、

  • 被害の程度
  • 耕作地の状況
  • 設置後の維持管理の労力
  • 費用対効果

などを考えて、自分の農地に設置するのに最も適した柵を選択することが必要です。

柵の比較表はコチラをご覧ください⇒

「どんな柵を設置すればいいかわからない」とお悩みの場合はお気軽にお問合せください。
お話を伺ったうえで、お勧めの柵をご提案します。

それでは柵の種類ごとの特徴をお話しします。

◆電気柵の特徴

電気柵は、通電している電線にイノシシの鼻先が触れると電気ショックで驚き、それ以降近づかなくなるという仕組みのものです。

イノシシ対策_電気柵しくみ
画像:電気柵がイノシシに感電する仕組み

イノシシに対して、「この柵もしくはこの場所は危険!」という恐怖心を刷り込ませ、侵入を防ぎます。

イノシシは非常に警戒心が強く、一度危険な目に合うとその場所を避けて行動するようになります。

水田や畑のほか、ゴルフ場などで電気柵を設置されているケースが多いようです。

メーターあたりの単価は最も安く、費用対効果が高い柵といえます。

詳しくは「電気柵とは?」をご覧ください⇒

ただし、正しく設置することと、定期的な管理が必須であり、設置後の手間が他の柵よりは少しかかることは否めません。

イノシシは分厚い毛皮と剛毛に覆われているため、このような部位に電線が触れただけでは十分な電気ショックを与えられません。

最も電気が流れやすい鼻先に電線が触れないと効果がありません。

このため、鼻先に電線が触れるように、高さを2段、3段にわけて張るなどの工夫が必要です。

2段であれば1段目は地表から20cm、2段目は1段目から20cmの間隔で電線を張るのが一般的です。

イノシシ対策_電気柵段数
画像:イノシシ対策用電気柵の推奨段数

通常イノシシは、障害物があった場合いきなりジャンプして飛び越えることはありません。

まずは下から潜り抜けようとします。

2段目の電線が顔の目の前あたりの高さにあり、ここで電線に鼻面をつけて確認しようとすれば、感電してくれます。

2段目に触れなくても、次の行動として下から潜ろうと、潜れそうな場所を探しますので、その際に、1段目の電線に
鼻先がふれて感電するという仕組みです。

また、周囲の草丈が伸びて電気柵に触れたり、木の枝などが落ちてきて触れたりするとそこから漏電し、十分な電圧がでなくなるため、草刈や見回りなどの定期的な管理が必要です。

イノシシ対策_電気柵維持管理
画像:電気柵は定期的なメンテナンスが必要

なお、電気柵の下に防草シートを敷くと、草刈の頻度は低く抑えられます。

また、金属製の板などの電気を通すものを敷けば、除草効果もあり管理の手間が省けます。

さらに一点注意しなければならないことは、「最初に電気柵に触れた時に確実に感電させる」ことです。

電気柵は構造的にも強度的にも、電気が流れていなければ簡単に突破できてしまうものです。

電気ショックにより警戒心、恐怖心を植え付けることでそれ以降の侵入を防ぐという心理的効果を狙った柵のため、最初に電線に触れた時に十分な電気ショックを与えられないと、安全なもの、と認識されてしまい侵入を防げなくなることがあります。

このため、

  • 設置したらすぐに通電させる
  • 頻繁に見回って草や枝が電線に触れていないか確認する
  • 断線などが起きていないかチェックする

ことが必要です。

電圧がきちんと出ているかのチェックには電圧テスターが便利です。

十分な電気ショックを動物に与えるためには、少なくとも4,000V以上の電圧が必要です。

イノシシ対策_テスター
電気柵テスターはコチラから⇒

このような、適切な設置と頻繁な見回りができるのであれば、電気柵はもっとも費用対効果の高い柵といえます。

次回以降は順次

  • 金属柵
  • ネット柵

についてお話します。

  • この記事を今すぐシェアする
  • facebookアイコン
  • Xアイコン

この記事を書いた人

宮畑 貴之

鳥獣被害対策 お役立ち情報

被害を防ぐために知っておきたい情報を公開中!

▼その他の獣害でお悩みの方はこちら

トップへ戻る

先頭へ